2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

友達が頑張ってる姿を見て我が身を見つめ直す

地元の友達からLINE通話があった。 寝ぼけ眼で出るとPC操作についての質問だった。ググればすぐにわかることだったが友達はITに疎い人物なので私が調べて教えてあげた。 その後近況などを話し合った。 この友達は去年までディーラーの整備士として働いていた…

ノスタルジック '00 こぼれ話

基本情報 実話を基にした小説風のなにか。一部、台詞などに脚色あり。 作中に登場する人名などの固有名詞はすべてフェイク。 タイトルの「'00」は2000年代(2000年〜2009年)を意味しており、2000年のことではない。 補足情報 以下の内容はネタバレを含む。 …

ノスタルジック '00 (15) 《告白》

今日の締めくくりにみんなで大観覧車に乗ろうということになった。 三枝さんの「相原くんとふたりで乗りたいな」という一言により、相原と三枝さん、ぼくと新野さんに分かれて乗ることになってしまった。 三枝さんのこの発言は、おそらく本心ではないと思っ…

ノスタルジック '00 (14) 《罰ゲーム》

「あたしが協力してあげる。ただし、一回だけね。もしそのチャンスを活かせなかったら、もう知らないよ」 三枝さんはそう言うと立ち上がった。 「そろそろ行こ。あんまりぐずぐずしてると相原くんたちに負けちゃうよ」 ぼくも立ち上がる。 彼女はいったい何…

ノスタルジック '00 (13) 《協力》

「2:2のチームに分かれて、ラビリンスの出口目指して競争するってのはどうだ。チーム分けは、他校同士の親睦を深めるために、おれと新野、榊と三枝にしよう」 有無を言わさずまくしたてる相原に一言言い返したい気持ちもあったが、相原の言っていることも…

ノスタルジック '00 (12) 《盾》

新野さんが指差す先には、楽しいはずの遊園地には似つかわしくないおどろおどろしい雰囲気の建物があった。お化け屋敷だ。 お化け屋敷は絶叫系が乗れないぼくにとって、それなりに楽しめる数少ないアトラクションのひとつだった。しかもこのお化け屋敷には小…

ノスタルジック '00 (11) 《別行動》

「気にならない、新野ちゃんの気持ち?」 三枝さんは不敵な笑みを浮かべながら言った。 おそらく彼女は他人の機微に人一倍敏感な性格なんだろう。他の人の気持ちを感じ取りやすいからこそ、場の空気を和ませることにも長けている。 実際、ぼくや相原のことな…

ノスタルジック '00 (10) 《不敵》

並んで歩くぼくと相原から少し離れたところを新野さんと三枝さんが歩いている。相原が前を歩く女子二人を見ながら僕にささやいてきた。 「新野ってさ、中学のときと比べて、なんか変わったよな」 「...変わったって、どんな風に?」 「うまく言えないけど、…

ノスタルジック '00 (9) 《不穏》

「...というわけで、ひとり誘ったよ」 新野さんを遊びに誘った日の夜、ぼくは相原にそのことを電話で伝えた。 相原からお互いの女友達を誘って4人で遊びに行こうという話を持ちかけられたときは、正直言ってめんどくさいことを頼まれたなと思った。 そもそも…

ノスタルジック '00 (8) 《葛藤》

梅雨がすっかりあけ、もうすぐ夏休みに入ろうかというある日、中学のときの友人から久しぶりに電話がかかってきた。 友人の相原は中学からの付き合いで、昔はよく遊んだ仲だった。 相原はぼくとは違い勉強も運動もできた。高校は偏差値の高いところへ進学し…

ノスタルジック '00 (7) 《羽化》

この前の選択授業が終わった後に彼女とした会話が頭から離れないでいた。 もし彼女が書いた感想がなんの変哲もない内容だったら、わざわざ呼び止めてまであんな質問をしてきただろうか。 ――ねえ、わたしの感想読んだ? どの感想にも彼女の名前は書いてなかっ…

ノスタルジック '00 (6) 《繭》

――せっかくかっこいいんだから、もっと前を見て発表したほうがいいと思う。 前の席の男子が勝手に持っていった何枚かのポストイット。その中の一枚にそう書かれていた。 ポストイットにはさきほどぼくが行った作文発表についての感想が書かれているはずだっ…