帰省 (3)

3日目。

今回の帰省は4日を予定しているので、早くも折り返し地点を過ぎてしまった。地元に戻ってきて、やっぱり東京とは環境がぜんぜん違う。私はやっぱり静かで自然に囲まれている地元の方が好きだ。

この日は夜に友達と会う予定があるが、日中はノープラン。家族とゆっくり過ごすつもり。

連日雨か曇りだったが、この日は午前中だけ晴れて気持ちのいい気候だったので、車で20分くらいのハイキングコースに行ってきた。

嫁も子供もいない私はこういう家族で来て楽しむところには滅多に足を踏み入れない。いや、踏み入れることができない。今回は母が行きたいというので同行する形で足を踏み入れることになった。

気温はそれほど高くないが直射日光を浴びると暑い日だった。上着を持っていったが車の後部座席に放り込んで半袖でハイキングを楽しんだ。

ハイキングコースは木々が密集しており直射日光は入ってこない。葉の間からかすかに溢れる木漏れ日と、吹き抜ける風を全身で受け止めるととても心地よい。

ハイキングコースと並行してアスレチックコースも用意されており、歩くだけじゃなく全身を使って楽しむこともできる。

小一時間ほど自然を満喫し帰ることにした。帰りの運転は私がした。車の運転をするのは約4年ぶり。初めは怖かったがすぐに慣れた。やっぱり車の運転は楽しい。

午後になるとすぐに厚い雲が出てきて曇天になった。午前中の温かい時間帯に自然を満喫できてラッキーだった。

18:00頃、友達が迎えに来た。順番にほか2人の友達もピックアップして焼肉屋へ。みんな近所に住んでいる。

3人の友だちのうち1人は既婚、2人は未婚。私も未婚。私はいずれ結婚したいと考えているが、他の2人はどう考えているんだろう。お世辞にもモテそうには見えないが、あまり焦っているようには見えないので、2人とも結婚は諦めているんだろうか。

4人は保育園からの友達で、会うと必ず昔話がメインになる。もう何度同じことを話したかわからないが、例えば小学校のとき同級生でいた変わってる子の話だとか、面白いエピソードなんかを延々と話し続けている。

正直言って私はもう聞き飽きた。初め聞いたときはたまらなく懐かしい気持ちになり涙が出るほど笑い転げたものだが、そう何度も同じ話をリフレインしても笑える話も笑えなくなってくる。

他の3人はそんなことないんだろうか。いつもいつも新鮮な気持ちで心の底から笑えているんだろうか。

焼き肉を食べ終わり懐かしの母校(小学校)へ。久しぶりに小学校へ行くと、小学校に隣接する林の一切が刈り取られていて、むき出しの土くれに様変わりしていた。

どうやら私の住む住宅街に家を建てる空き地がなくなりつつあるようで、この度林を切り開いて新たな空き地を醸成したようだった。

私は結婚したらいずれ地元に戻ってきたいと思っている。できれば実家のある住宅街にマイホームを建てて暮らしたい。こうして新たに増えた土地がまた埋まってしまう前にその夢を叶える必要がある。

まだ結婚できるかわからないし、結婚できたとしても縁もゆかりもない土地についてきてくれるかもわからない。なんとか結婚はできるかもしれないが、ついてきてくれる人である可能性は低い。

どうなるかわからない。不安で仕方ない。