帰省 (4)

4日目。最終日。

この日は朝から母とドライブへ。昔、一度だけ一緒に行ったとある川べりのキャンプ場にまた行ってみたいというので、私の運転で行ってきた。

結局、目的のキャンプ場には行かなかったが、別の観光地に寄り道したりしてドライブを楽しんだ。8:00過ぎ頃に出発して帰ってきたのは10:30頃。久しぶりに運転したがすぐに勘を取り戻した。東京の道は全然楽しくないが、田舎の道は楽しい。

実家に帰ってきたら今度は徒歩でスーパーへ。近所のスーパーまでは歩いて20分程度なので、ときどき運動不足解消のため歩いて行くらしい。

昼食は適当にかに玉丼を作ってあげた。卵に火を通しすぎてしまい、ふわっとした食感にはならなかったが、味は美味しかったので良しとしよう。

午後、北海道にいる元職場の先輩からLINE通話がきたので近況を話し合った。

先輩には私がフリーランスになってからときどき現状を伝えていたので、10月から案件が変わり単価が70万円になることを告げた。先輩は「すごいじゃん」と言ってくれた。

フリーランスとして本格的に仕事を始めてから半年程度で年収840万円を達成できたことは自分でも誇りに思っている。

仕事の面では十分すぎるほど頑張ってきたところなので、これからは結婚に向けた活動、「婚活」を始動する旨を告げた。

地元の友達や仲のいい先輩に、ようやく重い腰を上げて婚活を始めることを宣言しまくった以上、何もしないわけには行かなくなった。それ抜きにしても、結婚したい欲がかつてないほど高まっている。

それは、ようやく満足できるほどの年収が達成できたということと、地元に戻ってきて結婚して子供作って家を建てている友達と接したところに起因している。

たまにLINE通話で近況を聞いてくれる人がいることが、今まで頑張ってこれた一つの理由かもしれない。そして、これからさらに頑張れる糧にもなる。

17:00頃、友達から連絡が来て夕飯へ。

店へ行く車中、私は友達が話す内容をひたすら聞いていた。この友達は自尊心が高く、あまり人を褒めない。自虐はするが、同じことを人から指摘されるのを非常に嫌がる。

人とうまく接するコツとして、人から聞かれない限り極力自分のことは話さないようにしている。まったく話さないのもそれはそれで不信感を持たれるので、話の流れで相手の属性を見て話したりもする。

例えば、あまり裕福でない友達にお金の話はタブー。単価が大幅に上がって年収で言うと何百万円を超えたという話をしていいのはかなり人を選ぶ。

夕飯は適当にラーメン。ラーメンを食べながら、小学校の同級生が今どうしているかという話になった。

この友達は顔が広い。インスタやLINEで何人かと繋がっているとのことだった。

インスタに投稿している写真やLINEのプロフ画像を見せてもらった。みんなだいたい結婚していて、見た目も頭の中にある記憶からそれほど変わっていなかった。

記憶の中にいる小学生の友達をそのまま大人にしたような感じでとても懐かしい気持ちになった。あまりにも変わっていたらどうしようかと思っていたが、ここまで変わってないのであれば久しぶりに会って話がしたいと思った。

今は未婚で、こんな男やもめ姿を見せるのは気恥ずかしい。結婚してコンプレックスが解消されたら久しぶりにみんなと会いたいな。

小学校の同級生で、当時ちょっと好きだった女の子の近況も教えてもらった。現在は結婚して2児の母をしている。インスタに本人が写っていたので見せてもらったが、微妙に記憶とは違っていた。女の子は化粧をしているから割と変わっている印象。

しかしその子の子供(女児)の写真を見たら、小学生だったときのその子の姿そのまんまだったので笑ってしまった。

その子は糸目でそばかすがあったが、笑うと可愛かった。小学生特有のノリで、好きな子にあえていじわるをして気を引こうとしていた。怒らせるより喜ばせたほうが絶対いいのに、小学生って馬鹿だよな。

イケメンで子供の頃からモテていた友達は、早くに結婚して、奥さんと子供2人の家族写真をLINEのプロフ画像にしていた。

子供の頃あんなにモテていた友達なのに、奥さんはそれほどキレイではないのが意外だった。決してブスというわけではないが、美人というわけでもない。顔がすべてじゃない。きっと性格の相性が良かったんだろう。

昔の男友達とも会ってみたいが、女友達にも会ってみたい。さすがに女子はだいたい結婚しているだろう。

今回の帰省では地元の友だちのほとんどと会った。去年までの帰省とは違い、今回は「結婚」に向けた準備フェーズのつもりで臨んだ。

実際に行動に移すのは東京に戻ってからになるが、友達に対する決意表明をし自分を追い込むという意味での準備は整った。

初めてフリーランスとして案件を探すときも同じ心境だった。しかし今では月収70万円を得るまでになることができた。婚活においてもそのうちいい結果を得られるだろうと信じている。