軽いウォーキングを嗜む程度に

最近よく運動をしている。

と言ってもジムでウェイトリフティングとか自宅で自重トレーニングとか何十キロもジョギングとかをしているわけではない。

ただ単に近所を散歩しているだけ。

そもそも息の上がるような運動はすべて寿命を縮めたり外見を老けさせるものだと思っている。

健康のために運動しているのに寿命が減ったのでは意味がない。

かと言ってまったく体を動かさないのも健康に悪いだろうということで、散歩=ウォーキングをしている。

東京には川沿いに緑道が長く伸びているところが多い。

川と言っても川幅1メートル以下、水深は数十センチの小川。どこか大きな川の支流に次ぐ支流のような小さく細い川。

緑道は車やバイクが通れないのでうるさい騒音やくさい排気ガスを気にすることなく散歩ができる。

小さいとはいえ川のせせらぎを聞くこともできるし、植わっている木などの緑を見ることもできる。

もっとも田舎育ちの私からしてみれば作り物の緑で癒やされることはないが...

緑道の直ぐ側には延々と一軒家もしくは集合住宅が建っている。

田舎と都会の違いはこの一片のスキも見せない圧迫感だと思う。

空いている土地がまったくない。

わずかでもスペースがあれば無理やり建物や駐車場を作ってしまう。

緑道を歩いていると、どこからともなく犬の唸り声のようなものが聞こえてきた。

耳を凝らすとすぐ近くの家のほうから聞こえてくる。

玄関先に犬でもいるのかと思ってちらと見るが何もいない。

よくよく聞いてみると、どうやらバイオリンの音らしかった。

どうもあまりうまくないようで、まだ練習段階というような音色だった。

東京の子どもは習い事でバイオリンをするのか(子どもと決まったわけじゃないけど)。

隣近所から苦情とか来ないのかな。