先日、前案件で仲良くなった人と食事に行ってきた。
この人はPM兼スクラムマスターをしている人で、私の今後のキャリアを考えたときにそっち方面の知識もあったほうがいいだろうと思い、ぜひお話を伺いたいと私から誘った。
前案件の終了間際にこの人と話す機会があって、そのときに実は同郷だということが判明し、一気に盛り上がってその場のノリでお互いの連絡先を交換した。私の母校とこの人の妹の母校が同じだったり、遠く離れた東京の地で同郷と邂逅するという奇跡を目の当たりにした。
ちなみに私は仕事で顔を晒したことがほとんどない。フルリモートなのでチームメンバーと会うことはないし、滅多にカメラをオンにしないので私の顔を知っている人はごく少数だった。
今回食事をする予定のお相手はカメラをオンにする人だったので、私はお相手の顔を知っているがお相手は私の顔を知らない。なので私からお相手を見つける必要がある。
金曜日の夜、人でごった返す渋谷ハチ公像前。待ち合わせに便利なシンボルだが、いかんせん人が多すぎる。
LINE通話をしながらハチ公像付近にいる人たちをつぶさに見ていくと、いた。顔は知っているが全身を見るのは初めて。シークレットブーツを履いて身長174センチの私より一回りほど小さい。おそらく身長は160センチ代前半だろう。
私が近づいていくとお相手も気づいたようだった。私の姿を見て開口一番、お相手は言った。
「めちゃくちゃイケメンじゃないですか!」
そしてこうも言う。
「ほんとに○○さん(私)ですよね?」
これとまったく同じことを以前にも言われた。そのときも私の声だけしか知らない人と初めて会ったときだった。どうやら私の声はイケメンとは程遠いものらしい。私の声だけしか知らない人は私の顔をどういう風に想像しているんだろう。聞いてみたいような聞いてみたくないような。
その後もしつこいくらいイケメンだと言ってくる。何度も言ってくるのを適当にいなしながらとりあえずセンター街のほうへ。今回は特に店を予約しているわけではないし、目星をつけているわけでもない。適当に歩きながら見つけようということになった。
金曜夜の渋谷なので大抵の店は埋まっている。本当は予約したかったが、渋谷に決まったのが前日の夜だったので致し方ない。
しばらく歩いていると、お相手は串焼きの店が気になったようで、入ってみることに。店内はこじんまりとしていて、カウンターの目の前には酒瓶がずらりと並んでいる。どうやら酒呑みのための店のようだった。
2人ともお酒はあんまり飲まないので、飲み屋ではない食事が取れるところを探していたが、飲み屋でもお腹を満たすことはできる。ということでこの串焼き屋に決定した。
結果的にこの店は大当たりだった。私は飲み屋で料理が美味しいところにほとんどあたったことがない。だから飲み屋=高くて美味しくない料理を出す店という印象があって、正直この店にも期待はしていなかった。
しかしこの店の料理は何を頼んでもめちゃくちゃ美味しい。串焼きがメインなのでもちろん串焼きのメニューが豊富だが、その他にも飲み屋らしいおつまみ料理もある。
値段は少々高めだが、大切な人と大切な時間を過ごすためなら、高いお金を払ってでも美味しい料理を食べたい。ここぞというときにまた来ようと思えるような店だった。
さて、今回の目的は、前案件のPMからお仕事について聞き出すこと。具体的にはPMのなり方について非常に興味があった。
結論から言うと、今の私がPMになるのは難しそうだということがわかった。フリーランスのPMもいるが、それはPMとしての業務経験があって初めて意味があるのであって、いきなりPMがやりたいと言って案件が取れるものではない。
正社員をしていてもPMができるかどうかもわからないのに、フリーランスのままPMに転向できるわけがない。薄々わかってはいたことだが、改めて現実を直視させられた。
私はフリーランスになってから、業務アプリという分野からWebアプリという分野への転向をし成功させることができた。しかしそれはあくまでITエンジニアとしての転向であり、PMへの転向とは雲泥の差がある。
将来、結婚して子供が生まれて家を建てようとなったときに、フリーランスのままでは収入が安定しないので住宅ローンは組めないだろう。そのときになって慌てることのないよう、今のうちからあらゆる選択肢を考えておく必要がある。