化粧を覚えた

私はニキビやシミは一切ないが赤ら顔で、もともと色白なのもあってコンプレックスになっていた。

去年の夏頃まで渋谷の美容クリニックや漢方薬局に通っていたが、かけたお金に対して効果はほとんどないようなものだった。美容クリニックや漢方薬局に行かなくなり、朝晩2回、化粧水と乳液を塗るようにしてから少しずつマシになってきた。

去年末頃、東京に来たばかりだという後輩と会うことになった。久しぶりに会った後輩と一通り近況などを話し合った後、後輩はこんなことを言ってきた。

「俺、最近化粧してるんですよね」

男が化粧、と思わなくもなかった。しかし、実を言うと私も化粧には興味を持っていたところだった。

私は「そうなんだ」と答えつつ、男の化粧について根掘り葉掘り聞き出したい衝動を必死に抑え込んでいた。なるべく平静を装いながら後輩自ら詳細を語らせるよう仕向けようとした。

「どういうことしてるの?」

私がそう聞くと、後輩は自分の頬のあたりを指差しながらこう答えた。

「このあたりにBBクリーム塗ってます」

「BBクリーム?」

「詳細は自分で調べてください」

チッ。後輩に詳細を語らせようと思っていたが、どうやら無理そうだと悟った。

後日、あまり気は乗らなかったが男の化粧について調べてみることにした。まずは後輩の言っていたBBクリームなるものについて。

調べてみると、どうやらBBクリームは顔のシワやシミ、ニキビ跡などを目立たなくさせる効果がある化粧品とのこと。男性の場合は髭を剃った後の青ひげもカバーできるらしい。

BBクリームは商品によって色味が異なるらしく、男性向けのBBクリームは女性向けのそれに比べて濃く作られているらしい。

私は男にしてはかなり色白なので、普通の男性向けBBクリームだとおそらく色が濃すぎてしまう。なので色白の男性向けBBクリームを使ってみることにした。

まず買ったのは「NULL BBクリーム 01 Light ocre」。

通常のNULL BBクリームは肌の色が普通〜色黒の人向けだが、01 Light ocreであれば色白でも違和感なく使える。

ちなみに通常のNULL BBクリームを間違えて買ってしまったので一応使ってみたが、どう見ても私の肌にはあっていなかった。

次に「WHITH WHITE BBクリーム 」を買った。

これはかなりの色白じゃないと使えない。私もかなり色白なほうだが、それでも若干違和感が残るほど白い。

それからクリームが固めなので伸びがあまり良くない。BBクリームは全体に伸ばして均一にしないと化粧していることがバレバレになるので、さらっと伸ばせるかどうかは重要。

上記のNULL BBクリームがなぜかどこも品切れになっている時期があって、そのときに代替品として買った中では一番良かったのでいくつかストックが残っている。使えなくはないのでたまに使ってもいいかもしれない。

次に買ったのは「無印良品 BBクリーム」。

これも色白向けのBBクリームらしいが、私には少し濃かった。塗ると首に比べて明らかに濃いので目立つ。

固さはNULL BBクリームよりさらにゆるい感じ。固体か液体かでいったら液体のほうが近いかもしれない。

オルビスミスター ベースカラーコントローラー」というのも買ってみた。

これは明らかに濃すぎる。とても色白向けのBBクリームとは思えない。持っていても仕方ないのですぐに捨てた。

「LIPPS BOY BBジェル」も買った。

買った記憶はあるが既に手元にないので、おそらく色が濃いなどの理由で使えないと判断して早々に捨ててしまったのだと思われる。

こうして列挙してみるといろいろ買ったなぁという気持ち。おそらく色白の男性向けBBクリームはだいたい試してみたんじゃないだろうか。自分の肌にあっているかどうかは買って試してみないとわからないから、とりあえずいろいろ試行錯誤してみるのが大切。

結局、一番初めに買ったNULL BBクリーム 01 Light ocreが一番良かった。自分の肌の色に一番近い色だし、固すぎずゆるすぎないのでさらっと塗れる。

BBクリームの塗り方は解説している記事や動画があるので省略するが、コツは少量ずつ足していき、なるべく均一になるように塗ること。一度に大量に塗ろうとすると余分な部分が出てきて均一になりにくいし、時間が経つと違和感が出てきて化粧していることが一目瞭然になる。

あとしているのは、BBクリームを塗ったら顔がテカるのでフェイスパウダーを塗布してマットにしたり、アイブロウで眉毛の形を整えたりくらい。

ちなみに今まで化粧した状態で何人かに会ったが、化粧していることがバレることはなかった。もしかしたら気づいてはいたけどあえて口にしなかっただけなのかもしれないけど。

化粧を覚えてから肌の悩みはほぼなくなったと言っても過言ではない。基本的にめんどくさがりなのでこれ以上何かをするつもりは今のところない。