思い出の冷やし中華がここにあった

梅雨が開け日を増すごとに最高気温が更新されていく。

今年初の冷やし中華を食べた。

私は冷やし中華が好きだ。いや、好きだった。

スーパーの焼きそばやうどんがあるところに一緒においてある冷やし中華を毎回食べたいた。

しかしあの手の冷やし中華って麺に粉が振ってあって食べるときに大変に臭い。

麺からケミカルな匂いがする。

私が冷やし中華を好きになったのは、子供の頃親が作ってくれた土曜のお昼に食べる冷やし中華が美味しかったから。

うちの地域では生協が食料品などの売品を小さなトラックで持ってきて、それを家庭の駐車場に並べて地域の人が集まって買うということがあった。

都会だとこんなことはしないと思うが、うちは田舎なのでよくしていた。

その生協で買った冷やし中華が美味しかった。

私の中で冷やし中華といえばそれだった。麺は細縮れ麺で、色が白い。よく見ると少し透き通ってすらいた。

それから刻み海苔などのふりかけがついていた。このフリ影がまた美味しかった。

スーパーに売っているのはストレート細麺で色は黄色いのが多い。

初めて自分でスーパーの冷やし中華を買って食べたときは「これじゃない」と思った。

それでも食べ続けていたがどうしても化学薬品の匂いがする麺がだめだった。

先日、サッポロ一番などの袋麺がある棚に、袋麺タイプの冷やし中華があることに気付いた。

いや、その存在は前から気づいてはいたがスルーしていた。

それを買ってみて家で作ろうとすると、どうやら麺は細縮れ麺らしかった。それに刻み海苔などのふりかけもついていた。

いよいよ完成し食べてみた。これだ、と思った。

小学生の時、半ドンの土曜日のお昼によく食べていた味が底にはあった。

メーカーはマルちゃんらしかった。マルちゃん正麺は嫌いだが冷やし中華はいける。

嫌いになりつつあった冷やし中華だが、また好きになれる日が来た。

私は基本的にジャンクであればジャンクであるほど好みであるということなのかもしれない。

貧乏下だからね。