相変わらず夜の散歩は続けている。
しかし最近は夜でも暑くて仕方ないので正直さんぽに行く気が失せる。
格好はかなり薄着をしているんだけどそれでもまとわりつくような熱気はどうしようもないので暑い。
こうなってくると散歩は中断せざるを得ない。
この間、新しい散歩ルートを開拓して少し外れた道を歩いていたところ、飲み屋のようなところから騒ぎながら出てくる集団を見かけた。
人数は多く、おそらく20人ほど。ひとりを取り囲み胴上げのような事をしようとしているように見受けられた。
相当寄っているだろうに、手が滑って地面に叩きつけられないだろうかと思ったが思うだけだった。
集団は私の進行方向に降り、私はその道を通っていかなければならなかったため、嫌だったが集団の横を通り過ぎようとした。
通り過ぎかなり接近した段になってひとりを胴上げしようとしているのがそこでわかった。
すると、集団からやや離れたところにふたりの人がいることに気づいた。
ひとりがひとりを羽交い締めのようにし、抑え込んでいるようにも見えた。
しかしそれほど強く締めているわけではなく、どちらかというと足元のおぼつかない人を支えているような感じだった。
集団からそのふたりへ目を移したとき、支えられているほうの人と目があった。
その人は私のことをひどく睨んでいた。
年の頃は20後半。無精髭を生やしており浅黒い肌にチリチリの髪、正直言って不潔な見た目をしていた。
嫌な感じがしてさっと目をそらしてあるき去った。
そのふたりを後に立ち去った後、背後から襲われやしないかと怖かった。
先日路上飲み会をしている現場を目撃したと書いたが、今はすっかり飲み屋も開いており深夜まで若者が馬鹿騒ぎをしている。
すっかりコロナの脅威はどこかへ行ってしまい、人々はコロナ以前、いや、以前にもまして欲望を開放させている。
人のいない夜道は危険だが、人がいてもそれはどれで危険な香りがする。