祖父母の家は昔ながらという感じで好きだった

母方の祖父母の家には昔ながらの土間があった。

小さい頃、祖父母の家に行き一晩泊まったときなど、居間とトイレや風呂の間には土間があって、夜遅くにそこを通るのが怖かった。

小学校低学年くらいのときまではトイレに行くたびに親についてきてもらっていた。

そんな土間だったが数年前に改装して広いリビングになっている。

家の中で靴を履いたり脱いだりする必要のある土間がなんであるのか疑問だったが、どうやら土間は、畑で取れた野菜を土のついたまま持ってきてすぐに料理するためにあると聞いてなるほどなと思った。

現代は野菜はスーパーで買ってくるし冷蔵庫があるので日持ちもする。

しかし昔はどこの家庭も自分の庭で撮れた野菜を食べていて、毎日食べるときになってから畑に行って採取し、すぐに食べるということをしていた。

畑にある間は腐る心配をしなくていいが、収穫してしまうと特に夏場はすぐに傷んでしまうのですぐに食べる必要がある。

畑で野菜を取ってそのまま家の中に入り土間で水洗いし調理する。昔ならではの知恵だったんだ。

そういえば母方の祖父母宅は昔は薪でお湯を沸かしていた。

お風呂に入るときは毎回薪を燃やしてお湯が出るようにしていた。

だから家の倉庫のようなところには薪を保管しておくためのスペースがあった。

薪も最初からちょうどいい大きさであるんじゃなくて、ちょうどいい大きさにするために薪割りをする必要があった。

斧を使うので危険だからあんまりさせてくれなかったが、叔父と一緒に何度か薪割りさせてもらったことがある。

薪を火にくべる作業も好きだった。

パチパチと爆ぜる音を聞きながら薪が燃えるのを見ているのが好きだった。