ツーマンセルで動く現場仕事は二人の関係が良くないことのほうが多い

この前来たエアコンの清掃業者は二人組だったんだけど、比較的仲が良さげだったのでほっこりした。

仲がいいというか理想的な上司と部下あるいは先輩と後輩の関係という感じだった。

年上の方が「あれして」とか「あれ取って」と言うと年下の方が元気よく「はい!」と言って甲斐甲斐しく働く。

年下の方の気質によるものだけでなく、年上の方の普段からの接し方がよくないとこういう関係は築けない。

普段から年上が年下に対して険悪な接し方をしていると、たとえ年下の元々の気質が快活なものだったとしても年上からの言葉に対しては快活な対応を取るとは思えなく、普段からの接し方が人の気質を変容させてしまう。

環境が良いものであれば人のパフォーマンスは上がりそうでなければ著しく下がる。

今使っているベッドをニトリの通販で買ってオプションで出張組み立てを依頼したことがあった。

そのときも二人組が来たんだけど、年上の方の態度が非常に悪く年下の方は指示には従うものの一切返事はしないという傍目から見ても非常に居づらい空間になった。

きっとどこの現場に行っても長年ああいう態度を取られ続けてきたものだから返事をするのも馬鹿らしくなったんだろう。

ただ仕事なので一応指示には従う、そうするしかなかった。

年下の方は元々は明るい性格の人だったのかもしれない。

それが年上からの圧迫で鬱屈してしまい、結果として空気を悪くするようになってしまった。

おそらく本人もそうしたくてしているわけではなかっただろう。

しかしどうにかして自分の自尊心を保つ必要があり、その術としてそうするしかなかったといったところか。

昔引っ越しをした時に依頼した引っ越し業者も同じだった。

やはり年上の方の年下に対する言葉遣いや態度がひどいもので、年下の方の気持ちが察せられた。

私は当事者ではなく完全なる第三者に過ぎなかったが、その場に居合わせた同じ空気を味わったものとして非常に居心地の悪いものだった。

おそらく出張現場仕事のようなツーマンセルで動く必要のある仕事はどちらかというと二人の関係が良くないことのほうが多いのではないか。

長い間同じ時間を二人だけで共有していると相手の嫌なところがだんだん目につくようになってきて最初の頃の付かず離れずのような理想的な距離感から悪い方に縮まってしまう。

この前来たエアコン清掃業者のようなものはどちらかというと珍しい部類に入るのかもしれない。

依頼する側としてはできれば険悪な関係の二人よりまともな関係の人たちに仕事をしてもらいたい。

しかしこればっかりは来てみないとわからないから博打でしかない。