ドラッグストアへ行ったときのよもやま話

スーパーの2階にあるドラッグストアに行ったときのこと。

大規模な道路拡張工事をやっていて周辺にたいくさんの警備員が立っていた。

その中のひとりに若い女と思われる人がいて、そのすぐそばにいた男の警備員が何やら必死に話しかけていた。

ふたりとも警備員で格好はよくいる薄汚れた作業服、頭にはヘルメット、顔の半分はマスクで覆われていて見えない。

だから本当に若い女だったのかはわからない。

男のほうは浅黒く日焼けしていて年の頃も40〜50代くらいに見えた。小柄な女とさして変わらないほどの身長でスタイルもいいとは言えない。

一般的に警備員というのは男がほとんどの職業なので、もし若い女がいようものなら、たとえあまり器量がよろしくなくても、男というのは惹かれてしまうものだ。

話しかけられている女がどういった心境なのか、通り過ぎただけの私には窺い知ることはできなかった。

ドラッグストアで目的のものを持ってレジの順番待ちをしていると、今まさに会計しようとしているのはおばさんだった。

レジの店員が「袋はご入用ですか?」と聞くと、おばさんは食い気味で「いらない」と答えた。

なんてことない日常風景かもしれないが、私にはおばさんが無愛想すぎるように思えた。

もう少し柔和に「大丈夫です」とか「いりません」と答えることはできなかったのか。

もし私が店員の立場だったら大いに凹んでいただろう。

こんなことをいちいち気にしているようでは接客業というのは成り立たないのだろう。つくづく大変な仕事だなと思った。

帰り道、階段を降りようとしているおばあさんがいた。

キャスター付きのかばんを杖代わりにしていかにも危なげに降りているところだった。

たまには人に親切にしてみようと思い、「荷物を持ちましょうか」と聞いてみた。

おばあさんは「大丈夫です。ありがとう」と答えた。

世の中には親切にされているにも関わらず、その気持を踏みにじるような輩もいると聞く。

例えば電車で年配の方に席を譲ろうとしたら、その相手から「人を年寄り扱いするな」と逆に怒られてしまったとか。

今回は怒られるようなこともなく、断られたものの私の親切心は気持ちよく受け取ってくれたようだった。