散歩をしていて思うこと。
たまに道路の路肩を歩いていると、横を車が通る時がある。
歩いているのは路側帯なので、段付き歩道でもなければ柵やガードレールがついているわけでもない。
一面の道路上に白線で路側帯であることが示されているだけ。
車が私の横を通り過ぎるとき、私の体ぎりぎりのところを通過していく。
妙に近いので怖い思いをすることしばしば。
それほど狭いという道でもないし、車同士がすれ違うというわけでもない。
反対側にはまだスペースがあるはずなのに、歩行者ぎりぎりのところをあえて通っていく。
私が車を運転していたときは、歩行者というのは恐怖の対象でしかなかった。
仮に歩行者の不注意で道路に飛び出してきてその結果私の運転する車と接触したとしても過失割合は車のほうが大きいことになる。
これは自動車免許を取る際に嫌というほど聞かされる話なので、免許を持っている人なら誰でも知っていること。
だから歩行者の横を通るときは最徐行し歩行者からできるだけ離れるようにしていた。
しかしここ最近歩行者になってみて思ったのは、自分の横を通り過ぎる車はそれほどスピードを緩めないし距離も取らない。
田舎にいたときはこんな思いを抱くことはなかった。
東京に来てからこういう思いを抱くようになった。
東京の道は幹線道路から少しはずれれば細く曲がりくねった道が多い。
その上、特に駅前の道には両側に人がうじゃうじゃと歩いている。
そういう道路状況でずっと運転していると歩行者というものを過度に恐れなくなるのかもしれない。
慣れと言ってもいい。
しかしこれは非常に危険な慣れだと思う。
いくら慣れているからと言って歩行者との接触事故を起こさないとは限らないし、ひとたび接触すればよっぽどの状況でない限り車が悪いということになる。
東京のドライバーは危機感が足りてないんじゃないか。
自分は事故を起こさないとでも思っているのか。
残念ながらそれは正常性バイアスに過ぎない。
なにもないときには及びもつかないが、事故が起こってからは、およそ最悪のケースでことは進むと思ったほうがいい。
誰しも免許を取るときは絶対に事故は起こさないようにしようと心に誓うのに、やがてその誓いは薄れ、今では自分だけは大丈夫だろうというおごり高ぶった勘違いに支配されている。
歩行者の観点からすると単純に怖いのでやめてください。