未だにバブル期の感覚が抜け切らない日本人たち

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視察という言葉を聞いて頭に浮かぶのは、本部のお偉方がぞろぞろと現場にやって来て散歩気分で見て回るというものです。

視察という言葉を額面通り受け取ると、上の立場の人間が下々が働くところを見て回るというもので、あまりいいイメージではありません。

記事は米シリコンバレーとなってますから、日本の出遅れIT企業のお偉方が業界最先端のIT企業に技術を学びに行ったんだと思いますが、学びに行ったはずの日本勢が現地の若い社長に対して見下すような態度をとったのではないかと。

あるいは中国は発展途上国という前時代的な考えで未だに止まっている日本勢が、北京の現地労働者に対してやはり見下すような態度をとったのかもしれません。

私は日本のIT業界は世界に比べて周回遅れくらい遅れていると思っています。

ことITという分野に限っては日本こそが発展途上国なのであって、アメリカや中国といったIT先進国に教えを請う立場だということを自覚しなければなりません。

以前書いた記事の繰り返しになってしまいますが、明治時代の日本人が日本という国を先進的に発展させるため、アメリカやヨーロッパといった先進国に行って近代的な産業や法律の知識を学びに行ったように、現代日本でもIT先進国に行って教えを請わなければならない立場なのです。

whitia.hatenablog.jp

明治時代の日本は世界の国々と比べて貧しかった。だから先進国に渡ってからも横柄な態度をとることなく、日本を発展させたい一心で真摯に学んだのだと思います。

それから日本は高度成長期を経て世界でも有数の経済大国になりました。バブル期においては世界の企業時価総額ランキングで1位から10位まですべて日本企業という隆盛ぶりだったこともあります。

しかし泡沫はあっさりと弾け、世界の企業時価総額ランキングからは日本企業の名前はきれいに消えてしまいました。

かつてのバブル期を経験した日本人が当時の感覚から抜け出せないまま海外へ『視察』をしに行っているようでは、まだ当分IT後進国から成長することは叶わなそうです。