帰省 (1)

1日目。

朝5:00起床。まだ外は暗い。人間は明るくなってきて自然に起きるのが一番健康にいい。まだ暗いうちから電子音で叩き起こされると、どれだけ睡眠時間を確保していても寝起きは最悪になる。

忙しい朝になるだろうと事前にわかっていたのでひげ剃りは前日の夜に済ませてある。歯磨き洗顔ヘアセットなどをしてパソコンなどをかばんに詰めたら5:45だった。

6:58品川発の新幹線に乗るために6:27渋谷発の山手線に乗る必要がある。渋谷まではバスに乗るのが一番楽だが時間もあるし涼しいので歩いていくことに。

いつもは徒歩30分程度で渋谷まで行けるので余裕で間に合うだろうと思っていた。なんなら1本か2本くらい早い電車に乗れるだろうと思っていた。

かなり早くに家を出てきたのでゆっくり落ち着いて歩く。空気は冷たいが長袖を着ていれば寒くはない。むしろ歩いて体を動かしているので少し暑い。

そんなこんなでトボトボと歩き続け、渋谷駅の山手線ホームに到着したのは6:27の1分前だった。ホームに上ってすぐに電車が来た。

品川駅に着いたのは6:45くらい。新幹線の改札にスマホをかざし入場。スマホに入れてあるPASMOでスマートEXの設定済み。

6:58まで少し時間があるのでホームで適当に時間を潰す。6:58、新幹線が来たので乗車。席は2列席の窓際、E席。

次の新横浜で隣に誰も乗ってこないことを祈る。発車する時間になっても誰も来なかったので安心していたら、「すみません」と声をかけられた。

声のしたほうを見ると小柄なおばあさんが弱々しく立っていた。誰も来ないと思っていたので隣席に荷物をおいていたので、慌てて荷物を自分の足元に移した。

1時間30分ほどとはいえ見知らぬ他人と隣同士わーたしさくらんぼーするのは嫌だった。しかし幸いなことに隣席のおばあさんはかなり小柄で終始静かに座っているだけだった。

これが出張のサラリーマンだったら、おもむろに取り出したる缶ビールのタブに自身の指をあてがい、それでもってプシュッという快音とともに出てきた溢れんばかりの泡を一滴もこぼすまいと勢いよく胃に流し込み、それから「あー」などと声を発し、ここは我のテリトリーとばかりに我が物顔で振る舞うところだろう。

実際、別席ではあるが朝早くから缶ビールを飲んでいるサラリーマンらしき人はいた。つくづく自分の隣席じゃなくてよかったと思った。

8:25名古屋着。近鉄線に乗り換え桑名駅で下車。桑名駅に親が迎えにきてくれていた。

そのままコメダ珈琲でモーニング。私はお腹が減っていたのでフルムーンバーガーとかいう期間限定のハンバーガーを食べた。

その日の夜、父と話をした。私は10月から案件が変わり、それによって月収が70万円になり、年収にすると840万円になることを伝えた。

父の年収はいくらだったのだろう。昔、母に聞いたときは1000万円と言っていたが、不確かな情報なので本人から聞き出してみた。

すると、最高で年収1100万円くらいだったとのこと。父は日本人なら誰でも知っているであろう企業の支社で部長をしていたらしい。私はずっと課長だったと思っていたが、実は部長だったらしい。

小さい頃は、自分の家は貧乏だと思っていた。母がお金に厳しい人なので、無駄遣いは一切許されていなかった。

しかし今思い起こしてみると、欲しいと言ったものは大概買ってもらえていたし、毎月のお小遣いは平均以上はもらえていた。そうなってくると何をもって貧乏だと思い込んでいたのか謎。

お金を話をすると、案の定お金の無心をされる。風呂場の修理に100万円くらいかかりそうだから、半分出してくれないかと。

この先、結婚して子供が生まれて家を建てることを考えると、余裕があるわけではないと思うが、ここまで育ててくれた親には感謝しているので二つ返事で了承した。