近況報告 (1)

このブログは去年の12/31で更新を終了し、公開設定も非公開にしていた。なぜなら今年から本格的に働き始めるつもりだったため、記事を書く時間がとれないだろうと思っていたから。

去年の12月あたりから本格的に案件探しを始め、ブログ終了時点ではまだ案件が決まっていない状況だった。

年が明けても案件探しを継続した。どれくらいの商談をこなしたか覚えていないが、少なくとも10はやったように思う。

なかなか成果が出なくてかなり落ち込んでいたが、立ち止まるわけにはいかなかった。

幸いエージェントからくる案件紹介は割とあった。とりあえず商談希望を出すことで立ち止まらざるを得ない状況に陥らなかったのは幸運だった。

いや、幸運ではない。曲がりなりにも努力してきた自分があったからこそだと思おう。

三が日が明けてからも商談をこなす日々が続いた。それでもやっぱり成果は出なかった。

1月も半ばに差し掛かろうとしている頃、ある案件の商談をすることになった。

その商談ではかなり好感触を得て、商談後のフィードバックでもかなりいい印象を与えてようだとエージェントの担当者に伝えられた。

遅くても明日には結果が出るとのこと。経験から言って、返事をすぐに寄越すパターンだとうまくいっている事が多い。

現に、これまでこなしてきた商談のうち、未だに結果を寄越してきていない案件もあるくらいだった。そのような案件はまず間違いなく駄目なので、かすかな希望にすがりつく意味はない。

件の商談は木曜日だった。その翌日にも別の案件の商談が予定されていた。

金曜日の商談でも割と好感触を得た。その商談を行った時点では、まだ前日の商談の結果は判明していないので、ある程度気持ちに余裕が生まれていたのが良かったのかもしれない。

その日はもう別の商談の予定は入っていなく、そして土日に商談はないため、つかの間の休息を満喫しようと再び自堕落モードに入っていた。

夜、スマホが鳴る。見知らぬ電話番号が表示されている。おそらくエージェントだろう。私はエージェントの電話番号を登録してないので名前表示はされない。

電話に出る。「夜分遅くに恐れ入ります」と軽く挨拶をした後、エージェントは言った。

「商談の結果が出ました。ぜひうちで働いて欲しいそうです」

私は、どっちですか、と聞いた。エージェントは、その日商談を行ったばかりの案件のほうだと答えた。

面接や商談がうまくいくときは結果がすぐに出る。待たされる場合は駄目だったと思ったほうがいい。やはりこの経験則はあてはまっている。

私はようやく案件が決まったことをひとしきり喜んだ後、そういえばもうひとつ結果待ちをしていることを思い出した。エージェントにもうひとつの結果はどうですかと聞いた。

エージェントは、そちらはまだ結果が出てないんですと答えた。

面接や商談がうまくいくときは結果がすぐに出る。待たされる場合は駄目だったと思ったほうがいい。

もうひとつの案件は前日に行い、結果は遅くても翌日、つまり今日出るのだと言われていた。時刻は既に夜8時を回っていた。この時点で結果が出ていないということは、もう諦めたほうがいいのだろうと思われた。

私は悩んだが、その場で結論を出すことはできず、少し考える猶予がほしいと言った。

その日は金曜日、土日を挟んで月曜日に決めるということにした。

土日は久しぶりに開放的な気分で過ごせた。この先、2月や3月になっても案件が決まらない可能性もあった。あるいは、妥協に妥協を重ねて満足のいかない案件に泣く泣く参画せざるを得ない可能性もあった。

案件探しを始めて約1ヶ月。長かったのか短かったのか。自分では割と早く決まったほうだと思っている。

30半ばにして業務未経験だった分野にフリーランスとして参画するという挑戦はようやく実を結んだ。

週末が明け、月曜日。私の心中はほぼ固まりつつあった。木曜日の案件はどうせ駄目だろうから、金曜日の案件にしよう。

そう思っているとスマホが鳴った。出るとエージェントだった。

私は「どうするか決めました。金曜日に受けた案件に参画します」と言う準備をしていた。しかし、エージェントは私の言葉を待たず、別のことを伝えてきた。

「木曜日に受けた案件の結果が出ました。ぜひうちで働いて欲しいそうです」

まさかの内定。なかなか結果を寄越さない案件だったので完全に駄目だったのだと思っていた。

よく彼女ができた途端にモテはじめるというが、まさにそれじゃないかと思った。

結果的に2つの案件から参画を打診されることになった。そのパターンはほとんど考えていなかったので非常に悩むことになった。

商談をした感じで言えば、木曜日の案件のほうが心象が良かった。しかし、遅くとも翌日に結果を伝えると言っていたにもかかわらず、最終的に3日待たせて結果を寄越してきたことを考えると、あまり信用ならないという気もした。

考えあぐねていると、エージェントが言った。この言葉が案件を決める決め手となった。

「金曜日の案件がすぐに参画してほしいと言ってきたことを考えると、より求められているのはこちらかと思います。木曜日の案件は、おそらく他の候補者と秤にかけ、そちらが駄目だったから保険として月曜日になって参画してほしいと言ってきたのかもしれません」

エージェントにこのようなことを言われて、私は確かにと思った。

「どうするか決めました。金曜日に受けた案件に参画します」

私は改めてエージェントにそう伝えた。

こうして私は1月末から働き始めるようになった。

(次回に続く)