この前若い女と少し話す機会があった。
ついうっかり私が30オーバーであることを悟られるようなことを言ってしまった。すると女には「30過ぎには絶対見えない」と心底驚かれた。
よくあるお世辞だと思うが、あまりにも全力で否定されるので真に迫っている感じはした。こればっかりは当人らにしかわからない感覚なのでどうこう言うつもりはない。
「大学生でも通じる」とまで言われたときはさすがに何いってんだこいつと思った。
真剣なトーンで「何歳に見えるか」を聞いたところ、じっくり観察され熟考した後、「26か27くらい」と言われた。
私の実年齢から10近くも下だったので嬉しかった。
童顔だよねとも言われたが、それはあれか、年齢に対して幼いっていうことを庵に伝えたかったのか。
1年半くらい前に証明写真を撮りに行ったことがある。
出来上がった写真を見ると、こんなにも老けていたかと思うほど老けていた。
その時点でもすでに30オーバーだったので年相応と言ったらそうだが、普段鏡で見る自分よりも老けていたので驚いた覚えがある。
鏡、特に自宅の鏡は無意識のうちに自分の中でよく見えるように見ているらしいから鏡に写った自分はそれほど信用していなかった。
にしても写真で見た自分は一段とひどかったので、それからは自分はそれほど若く見えないのだと認識していた。
だからこそ、なおのこと、若い女に若く見えるだとか童顔だとか言ってもらったのはすごく驚いたし、嬉しかった。
お世辞だろうがなんだろうが褒めてもらったという事実と、そのとき嬉しかったという記憶は大切に残しておこう。
