苦労して手に入れたみつどもえのポストカード

昔、みつどもえという漫画が好きだった。

みつどもえは小学6年生の三つ子の女の子が主人公のギャグ漫画。

ある日、みつどもえの公式サイトを見ていると、作者の桜井のりおの出身地である埼玉県上尾市にてみつどもえのポストカードを配布するというイベントが開催されていることに気づいた。

気づいたときはイベントの最終日が翌日に迫っている状況だった。

上尾市には行けなくもない距離だったが、イベント最終日ということもありポストカードが残っているか不安だった。

翌日の朝、私はイベントが開催されているデパートに電話してみることにした。

担当者に繋いでもらいまだポストカードが残っているか聞くと、残っているが残り少ないのでいつなくなるかわからないとのことだった。

自宅から上尾市まで行くには電車で2時間くらいはかかる。その間にポストカードがなくなってしまうと無駄足になってしまう。

私はダメ元でポストカードを取り置きしておいてもらえないかお願いした。

すると担当者はわかりましたと了承してくれた。これで2時間かけて上尾市まで行って徒労に終わる事なく確実に目的は達成できる。

さっそく準備し上尾市まで行った。初めて乗る路線、乗り換えに戸惑いつつもなんとか上尾市に到着。

イベント会場に行くとみつどもえの生原稿やみつどもえの広告が載った新聞の展示などがしてあった。

人は私しかいなかった。これはきっとイベント最終日ということで、私以外のファンはイベント初日とかに来てしまったからだろう。きっとそうだ。

人混みじゃないのは良かったが、ひとりはひとりで居たたまれない雰囲気を感じ取ったのでさっさとポストカードをもらって退散することにした。

小さなブースのようなところに行き、ポストカードくださいと言うと、担当者が「すみません、ポストカードはなくなっちゃったんですよ」と。

話が違うじゃないかと。私は事前に担当者に電話してポストカードを取り置きしてもらえるよう頼み、担当者は確かにわかったと返事をした。

そのことを伝えると少々お待ち下さいといい別の担当者を呼びに行った。

現れた担当者にもう一度事情を説明すると、あぁはいはいとようやく合点がいったようで奥からポストカードを持ってきた。

もし事前に電話していなければまさしく無駄足に終わっていたことだろう。

このような苦労をして手に入れたみつどもえのポストカードは今でも額縁に入れて大切に保管してある。

メルカリに出したら高く売れるかなぁ...