中学生のときに仲の良かった女友達が夢に出てきた。
夢の中の私はどこか見知らぬ風景に佇んでいた。視界に入る建物は現代的で、建物へ通ずる大きなアプローチの上から建物や、眼下に伸びる道なんかを眺めていた。
するとどこからともなく現れた女性が私の視界に突然入ってきた。
まさに体を滑り込ませるように、こちらをわっと驚かせようというような感じで視界の端から突然現れたのだった。
すぐにそれが中学の時仲の良かった女友達だとわかった。女は中学の時からほとんど変わっていないように見えたが相応に年齢を重ねているようにも見受けられた。
もちろん私の夢に現れたにすぎないからただの想像でしかない。
びっくりしたー久しぶりー元気?などと通り一辺倒な話をし、話の流れで連絡先を交換した。夢の中で。
間もなくして夢から覚めたが、虚無感に襲われた。
その女友達は決して美人ではなかったが可愛らしくはあったので付き合えるなら付き合いたくはあった。
一度だけバレンタインデーに手作りのチョコをもらったことがあるが、渡されるときに「義理だからね」と念を押されたので「わかってるよ」などと売り言葉に買い言葉を返した。
母親以外からチョコをもらったのは初めてだったので嬉しかったのは言わずもがな。家に帰ってすぐに美味しく食べた。
向こうはあくまで友達という感覚だっただろうが、私が少なからず意識していたのは明らかだった。
今になって中学の時の女友達が夢に現れるなんて、相当干上がってるなと思う。