デジタル改革担当相「中抜きとか丸投げとかいう状況はITの世界にはない」←は?

www.itmedia.co.jp

COCOAアプリ開発を巡っては、多重下請け構造による情報共有のミスがあったのではないかとの指摘もある。これに対し、平井大臣は「全ての国の発注業務もそうだが、プロジェクトがあり、プロジェクト管理をする人がいて、その能力がある会社が協力するという構図はなくならないと思う」と私見を述べた上で、「マスコミ報道で中抜きとか丸投げとかいうが、そういうのが許されるような状況はITの世界にはないと思っている」と指摘。

日本のIT業界を牽引する政府のトップがこの認識では日本のIT業界が世界に追いつくのは不可能だな。

日本のIT業界に中抜き・丸投げがないわけがなく、むしろ中抜き・丸投げしかないといっても過言ではない。

SIerとSESの関係もそうだし、SESの中の管理者と労働者の関係もそう。

こんなことは現場レベルでは何十年も前から叫ばれていることだというのに、最近になってようやく話題に上がってきたかと思ったら、「そんなものはない」と言下に否定されるという。

ただ、「発注者に能力が無かった時にはスタート段階から外部に委託する。そうすると下のレイヤーに仕事が出ていく」とし、「デジタル庁を作る目的が発注能力を高めるということ。自分でプロジェクト管理できる能力をもつということなので、デジタル庁では今後、このような多重構造ではない発注の仕方を最終的に目指していきたい」と改めてデジタル庁創設の意義と創設後の方針を示した…

細かい指摘かもしれないけど、「下のレイヤー」という言い方自体に問題がある。

プロジェクト管理をするのが「上」で、製造をするのが「下」だという認識がこの人の中にはある。

いや、この人だけじゃなく、ITに携わっている人でさえその認識の人が非常に多い。

なぜ上下関係を作るのか。横並びでいいじゃないか。

発注業者が一番左で、そこから右へ担当が並んでいくという構図では駄目なのか。

何を言ってもこの国のIT業界は良くはならない。

いくらデジタル改革を標榜しようともこんな低レベルな次元で躓いているようでは改革がなされるより日本が滅ぶほうがずっと早い。