私が保有している仮想通貨はビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ネムがある。
これらを購入したのは2017年の暮れで、明くる年の2018年に仮想通貨の大暴落が起こった。
私はその大暴落を受け、仮想通貨を買ったことは忘れようと思った。仮想通貨を買ったお金は一種の勉強料だったのだと。
月日が経ち2020年、知っての通り仮想通貨は再びにわかに上がり始め、年が明けるとかつて達した200万円という最高値を軽々と超え500万円にまで達した。
いっときは忘れようと思った仮想通貨ではあるものの、この情勢を受けてもう一度復活させてみようと思った。ここまでは何回か記事にしていること。
私が保有している仮想通貨のひとつ、ネムを復旧させたときのこと。
ネムをウォレットから某取引所に送金しようとした。
知らない人のために少し詳しく書くと、ネムを送金するには送金先が指定したメッセージを送金する際に入力する必要がある場合がある。
私はそのメッセージを入力せずに送金してしまった。なんせ何年かぶりに仮想通貨を操作するので、仮想通貨ごとの仕様などはすっかり頭から抜け落ちていた。
指定されているメッセージを入力せずにネムを送金するとどうなるか。メッセージが入力されていないため送金エラーになるのかというとそうではない。
送金元では特にエラーもなく送金が完了してしまう。かと言って送金先に届いているかというと、そういうわけでもない。
つまりメッセージを入力せずに送金されたネムはどこかにいってしまい宙ぶらりんのままになってしまう。私はこれをやらかしてしまった。
具体的な金額は避けるが送金したネムの現在価値は数十万円。将来はこれよりもっと上がるかもしれない。簡単には諦められない。
私は取引所のサポートに問い合わせることにした。やってしまったことをありのまま書いて送信した。
基本的に取引所はこういったトラブルによる仮想通貨の紛失にはノータッチで、本来対応する義務はない。取引所のページにも「原則、対応する義務を負いません」とちゃんと書いてある。
しかし私には頼れるのは取引所のサポートしかない。《原則》という文言に含まれる可能性にかけた。
まずは紛失した送金記録(トランザクション)を証明しなければならない。
大抵の仮想通貨にはトランザクション記録を検索できるウェブサービスがある。そこで確認できるトランザクション情報をサポートに教えた。
次にサポートは「返還についての同意書」をPDFで寄越してきて、署名して返送しろときた。私はPDFをコンビニのネットプリントで印刷し署名して再度スマホのカメラで取り込んだものを添付して返送した。
最後にテスト送金をする必要がある。紛失したトランザクションと同じ送金元、送金先で今度はメッセージをちゃんと入力して送金する。
しかし私のウォレットにはテスト送金するわずかの残高すらなかったので、取引所で新たに調達しそれをウォレットに送ってからテスト送金する必要があった。
ウォレットに残高が増えるとそれをテスト送金した。今度は忘れずにメッセージを添えて。トランザクション情報付きでサポートにテスト送金が完了した旨報告。
それから1週間強音沙汰がなかった。何か間違えたのかと不安になって状況確認のメールなども送った。
さらに数日後、ようやくサポートから連絡があり、返還が完了したと。
実に長かった。返還が完了するまで2週間強かかった。長かったが諦めずに対応したかいがあった。
今、返還されたネムを含む保有仮想通貨の合計額は250万円になっている。
このお金はすぐに使えるお金ではない。しかも非常に流動性のある不安定な資産。
しかし一度は失われたと思った資産がこんな形で戻ってきたので非常に嬉しく思っている。