私が初めて見たアニメはローゼンメイデンだった。
その後、涼宮ハルヒの憂鬱というアニメを見てオタク街道まっしぐらへと突き進んでいった。
当時、学校の夏休み期間中で、友達がそんなにいなかった私は家でひたすら国家資格の勉強をしていた。
ずっと勉強し続けるのはしんどい。
勉強の息抜きとしてなんとなくアニメを見るようになった。
1時間くらい勉強したらアニメの1話を見るというローテーションを繰り返した。
勉強の合間にアニメを見ることで勉強も捗り、数カ月後、国家資格に無事合格することができた。
それから暇さえあればいろいろなアニメを見るようになり、当時流行っていたミクシィにアニメを見た感想を書くという黒歴史を量産したりもした。
社会人になって数年したある日、唐突にアニメに飽きた。
アニメに飽きると家中にあるフィギュアなどのオタクグッズを処分するのも早かった。
数千円も払って買ったフィギュアを何体も躊躇なく捨てるのになんの抵抗もなかった。
フィギュアなんて残しておいてもなんの役にも立たない。
今だったらメルカリなどで売っているかもしれないが、いずれにしろ手放すということは変わらない。
それからまた数年後、会社の先輩からゆるキャンというアニメが面白いよと教えてもらった。
私はキャンプや車中泊やサバイバルが好きで、普段から周りにそういうことを言っていたので、それならとおすすめしてくれたんだと思う。
そのときにはすっかりアニメを見なくなっていたが、久しぶりに見てみようという気持ちになった。
ゆるキャンというアニメは美少女たちがゆるくキャンプするという内容なので、アニメから離れて久しい私でも楽しめるんじゃないかという期待があった。
しかし、その期待は淡くも崩れ去った。
開始10分で退屈だと感じ、その5分後には視聴をやめていた。
たった15分でも時間を無駄にした感が半端なかった。
ゆるキャンを勧めてきた先輩は当時40歳である。
よくその年齢になってまでゆるキャンというアニメを楽しめたなと思った。
歳を取ると若いころあんなにハマっていたゲームやアニメができなくなるという話はよく聞く。
私はそのどちらにも20代の半ばで既に飽きていたが、いくつになってもゲームやアニメを楽しめるというのもひとつの才能だと思う。
そういう人が羨ましくもある。