綺麗事で改心する奇特な人がいたら見てみたい

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阪急電鉄の中吊り広告のメッセージが不適切だとして、その画像がTwitterを通してまたたく間に拡散され大炎上しました。

問題となったのは次の文章。

毎月50万円もらって生きがいのない生活、30万円だけど仕事が楽しい生活、どっちがいいか

まるで月給30万円が安月給かのような表現。言外に《給料は少なくても、楽しい仕事のほうがいいよね》と伝えたいようですが、若年層にとっては月給30万円など高給取りもいいところ。

「現実がわかっていない」として、広告を制作したパラドックスという会社に猛批判がいくこととなりました。この炎上騒ぎを受け、本来6月30日まで掲載予定だったこの中吊り広告は6月10日で早くも姿を消すこととなりました。

他にも以下のようなメッセージもあったらしい。

私たちの目的は、お金を集めることじゃない。地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ

私はこういう綺麗事が大嫌いです。性格が悪いと言われようと、こういう世迷言を言うやつは信用できません。

内容が不適切だとかそれ以前の問題で、我々はこういうメッセージを見て何を思えばいいんでしょうか。

「お金儲けは卑しいことなんだ、誰かの笑顔のために仕事をしよう」などと考えを改める人がどれほどいるのか。もしそんな奇特な人がひとりでもいたら教えてほしいわ。

正直に毒を吐け、と言っているわけではありません。しかし、ただ御託を並べるよりも、どうせなら見た人がはっとするような、ちょっと不意をつかれるようなメッセージをズバッと書いてほしいですね。

コピーライターなんかはそれでお金を稼いでいるわけですよね。少し耳障りの良い言葉を集めるくらいなら素人だってできますよ。

自己啓発書なんかはこういった薄っぺらい言葉のオンパレードで反吐が出ますね。

ちょうど最近読んだ本がこの手の綺麗事ばかりが書いてある本で、最後まで読んで後悔していたところです。これからはつまらない本はすぐに読むのをやめることにします。

世間から猛批判を浴びた中吊り広告があった一方で、「癒やされる」とにわかに注目を集めているのが西武鉄道の中吊り広告。

かわいらしいペンギンが「出勤してえらい!」と手放しで褒めてくれています。

平時ならそれほど注目を集めることはなかったであろうこの広告も、批判の的となった広告を見た後に見ると妙にホッとさせられますね。

働くひとを勇気づけるいい広告だと思います。仕事で成果を挙げられなくても、ノルマを達成できなくても、納期が守れなくても、へこたれずに出勤している、それだけで偉い!