IT業界にいるからと言って安穏とはしてられない

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従来型IT人材の定義は「従来型ITシステムの受託開発、保守・運用サービス等」ということらしいです。では従来型ITシステムとは何かと言うと、対義的に先端IT人材=「AIやビッグデータ、IoT等、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できるIT人材」が使われていますから、要するに先進的でないシステムのことなんでしょう。

私の計画では2030年には既にセミリタイアしているはずなので、その頃にはほそぼそと小銭が稼げるだけの仕事があれば問題ないと考えています。

とはいえ2030年になったらいきなり人材余りが発生するというわけではなく、2025年頃から緩やかなカーブを描いて徐々に増えていくものと思われます。

2025年なんてあっという間に来てしまいます。歳を重ねれば重ねるほど時間の経過スピードは加速度的に早くなっていくらしいですから尚更です。

 

2025年頃から淘汰されていくであろう従来型IT人材をより具体的に考えます。私の考えではBtoBシステムに携わる勤め人が最も危ないと思っています。

私自身、ついこの間までIT派遣をしておりたくさんのBtoBシステムを作ってきた経験があります。その経験を踏まえて断言できますが、BtoBシステムはBtoCシステムに比べて圧倒的に遅れています。

BtoBシステムは要件を満たしてさえいればそれでよく、先進的技術を取り入れる思想は初めからありません。むしろ下手に先進的技術を取り入れることによって開発スピードが落ちたり安定稼働に影響を及ぼす可能性があるということで積極的に排除しなければならない要素なのです。

だいたい世間で流行った技術の5〜10年遅れくらいでようやく導入されることがたまにある程度です。

新規システムの立ち上げを行う場合でも、既存システムのプラットフォームやフレームワークをベースにすることが非常に多い。稼働実績のある技術なのでそれなりに洗練されてはいますが、いかんせん設計思想が古い。

日本の携帯電話が独自の進化を遂げてガラパゴスケータイなどと呼ばれていたことがありましたが、BtoBシステムもまったく同じで、企業内で完結するガラパゴスシステムが数え切れないほどあります(本当は《レガシィシステム》と呼ばれてます)。

BtoBシステムしか開発したことのないIT技術者は本当に危険だと思います。危機感を覚えてください。あなたはまず間違いなく近い将来に淘汰される対象です。

 

ではどうすればいいか。道はふたつあります。

ひとつはベンチャー企業に転職することです。ベンチャー企業は大企業に比べて先進的技術を取り入れるスピードが早いです。保守的なシステムをいくら作ったところで成長は見込めませんから。ベンチャー企業はリスクを覚悟でどんどんと最新技術を導入していく風土が会社としてあります。

しかしベンチャー企業に嫌悪感を抱く人もいるでしょう。将来が不安だとか激務薄給だとか…

将来が不安というのは倒産リスクが高いということを危惧しているんでしょう。しかしこのご時世、どんな大企業であっても倒産リスクを抱えていることを忘れてはいけません。さらに年功序列・終身雇用といった制度も過去のものとなりつつあります。

それに何も最初に就職したベンチャー企業に一生添い遂げるわけではありません。ベンチャー企業はあくまで踏み台に過ぎません。ベンチャー企業が倒産したら別のベンチャー企業に再就職するか独立してしまえばいいのです。

IT技術者は普通に働いてさえいれば技術力という武器を持つことが出来ます。その武器はIT業界にいる限り役に立ち続けるものです。これはIT業界のいいところのひとつだと思います。

 

もうひとつの道は独立してフリーランスになることです。

フリーランスになれば先進的技術を使った仕事に携わるのはそんなに難しいことではありません。首都圏にはそういった仕事が溢れかえっているので仕事にあぶれるということはまずないでしょう。

惜しむらくは首都圏以外の地方都市・地方にはいまのところそういった仕事はほぼ皆無だということです。しかし私の見立てでは5〜10年後くらいには首都圏以外でも増えてくるんじゃないかと思っています。まず首都圏で隆盛してから地方にも分散されていくというのは世の常です。いずれにせよ未来は明るいと思ってます。

ちなみに私は主にレガシィシステムを開発する勤め人からいきなり独立してフリーランスになりました。しかし私は一度ベンチャー企業で技術力を磨くことをおすすめします。

大企業→ベンチャー企業フリーランス、もしくはベンチャー企業フリーランスというのがIT技術者にとってのベストキャリアパスかと。自分の技術力に自信があるならさっさと独立してしまうのが吉。

 

まとめます。

IT業界にいるからと言って安穏とはしてられませんよ。将来の保証などどこにもありません。今の御時世、将来を見据えて常に考え続けなければ待っているのは破滅です。