辞める人間に対する距離感が最も心地いい

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「○○(私)、ちょっと時間いい?」

ある日、私が仕事をしていると、チームリーダーが声をかけてきました。

チームリーダーに話しかけられるのは珍しいことではありません。仕事の質問や軽い雑談なんかは席が隣同士なのでその場で話すのですが、そのときはわざわざ別室の打ち合わせスペースまで連れて行かれました。

少しあらたまった調子で声をかけられた瞬間にどういう話をされるのか既に察しました。

とはいえ私が会社をやめることは先週の時点で派遣先にも伝わっているはずです。 

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一度アフターファイブに誘われたもののそれを断ってからは特になんのアクションもありませんでした。

それから数日経ったタイミングでいきなり声をかけられたものだから「ようやくか」という気持ちでした。

別室の打ち合わせスペースにて、向かいに座ったチームリーダーが切り出しました。

「会社、辞めるの?」

「はい」

「もう確定なの?」

「はい」

どうもおかしな様子を感じ取りました。私がいなくなるということは先週の時点で派遣先にも伝わっているはずなんですが、まるでさっき知ったかのような口ぶりです。

もしかして派遣先にはついさっき知らされたんでしょうか?チームリーダーに聞いてみました。

「(私が会社を辞めることを)いつ知りました?」

「ついさっき」

予想通りでした。ではアフターファイブを誘われたのは何だったのかというと、普通のお誘いだったみたいです。

しかしこれで派遣先には正真正銘私が会社を辞めることが伝わったことになります。

実は昨年末の大失態からチームリーダーの私に対する当たりが厳しいものになっていたんですが、このときばかりは以前までのように柔和な雰囲気に戻っていました。言外に残念がっているような雰囲気すら感じました。

人はいなくなる人間に対してどこかよそよそしくなります。私はそんな雰囲気が嫌いではありません。

特に仕事上の付き合いでは必要以上に親しくしたくはなく、適度な距離感を保ちたいと思っています。

いなくなる人間に対する距離感こそが最も居心地がいいのです。普段からこの距離感だったらいいんですが、口惜しくも辞める直前の数ヶ月間しか味わえないのが残念でなりません。

ともかくこれからは適度な距離感の中で仕事ができると思うので肩の力が抜けた気分です。最初からそんな距離感だったらよかったんですけどねぇ。