このブログでは何度も書いている通り、日本のIT技術が世界に比べて遅れている要因として、IT派遣会社の多さを挙げています。
IT派遣会社が多いとなぜIT技術が育たないのか。それは、IT技術を持たない非IT技術者であってもIT技術の恩恵で結果としてお金が得られる構造になっているからです。
IT派遣会社はIT技術者を企業に派遣する際、必ず中間マージンをとります。ひどいところになると60%以上もの中抜きを行っている派遣会社もあります。
中抜きされたお金はどこに消えているのでしょうか?
答えは派遣会社にいるIT技術者でない社員の給料になっています。
IT技術者を右から左に流すことしかしていない人が、IT技術者が稼いだお金の60%も持っていくのです。
つまり日本ではIT技術を持っていなくてもIT技術で食べていくことができるんです。日本は特にその傾向が強いと思います。なぜならIT派遣会社の絶対数が世界一だからです。
IT技術を持たなくてもIT技術で食べていけるのならそのほうがいいと考える人がたくさんいるんでしょうね。
IT技術を持つには勉強が必要です。しかも技術は年々変わっていきますから、継続的な勉強が必要です。はっきり言って面倒だし苦しいです。
だからといってみんながみんなIT派遣会社になってしまうと、派遣するIT技術者がいなくなってしまい、結局共倒れしてしまいます。
IT派遣会社が完全に悪だと言っているわけではありません。仕事をする上でマッチングというのは非常に重要な要素の1つですから、それを担う役目がIT派遣会社にはあるのでその点は必要だと思っています。
私が言いたいのは、IT派遣会社の在り方について明確な規定を設ける必要があるんじゃないかということ。
1つはマージン率の上限を策定。何パーセントが適切かは私にはわかりかねますが、少なくとも60%以上というのが異常だというのはわかります。こうした異常なマージン率のところが減るだけでも改善されるはずです。
もう1つは、下請け構造の上限を策定すること。
これはIT派遣の例ではありませんが、IT派遣の場合も同じようなことが行われている場合があります。こうした下請け構造の多層化はとどまるところを知りません。
厄介なのは、下請け構造の全体像を把握している人がいないだろうということです。
この画像の場合、環境省の担当者は6次下請けの存在などまず間違いなく知らないでしょう。2次下請けあたりすら知らない可能性が高い。
誰かが思い立って調査をしなければこうした全体像が明るみに出ることはないのが問題です。
これも規制が必要だと思います。
IoTだのAIだの目先のIT技術を追っかけているだけでは対症療法にしかなりません。根本解決するにはIT派遣会社の規制を早急に行うべきです。