恋愛譚(5) -デート-

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whitia.hatenablog.jp

前回、自動車学校で知り合った女の子と一緒に免許センターへ行ったところまで書きました。

道中、楽しくお喋りもできたし、沖縄旅行のお土産を渡すことも約束しました。ついでに、免許も取得できました。

400メートルトラックの第一コーナーは無事に曲がりきれたといっていいでしょう。スタートを切った直後に比べ、スピードも乗ってきたところで、このまま最後まで駆け抜けたいところです。

沖縄旅行ではレンタカーを借りました。那覇市の中心部は交通量が多くて緊張しましたが、嘉手納あたりまで行けば交通量も減り、景色もいいので楽しく運転できました。

沖縄旅行の最終日、国際通りでお土産を買いました。ピンク色のシーサーの置物と適当なお菓子。免許センターへ一緒に行ったとき、彼女はピンク色のカバンを背負っていたので、ピンク色が好きなんだと思い、ピンク色のシーサーにしました。我ながら安直な選択です。

さっそくLINEをしました。

「沖縄旅行から帰ってきました!お土産渡したいんだけど、○日は空いてる?」

「おかえりなさい。○日なら空いてますよ~」

「その日に渡しますね。ついでに、映画でも行きませんか?」

「いいですね(*´ω`*)」

内心、ドキドキだったのは言うまでもありません。この流れは沖縄旅行に行く前からずっと考えていたものでした。思惑通り事が進んで嬉しかった。

当日は私が車で迎えに行くことになりました。自分の車はありませんでしたが、親の車を借りることにしました。

デート当日、待ち合わせ場所のコンビニに行くと、時間どおりに彼女が現れました。久しぶりに会う彼女はやっぱりかわいかった。こんなかわいい子とデートできるなんて、夢のようだと思いました。

さっそくお土産を渡すと、彼女は喜んでくれました。まあ、お土産をもらって喜ばない人はいないと思いますが。

彼女を助手席に乗せ、目的地の映画館(イオンシネマ)に向けて出発しました。

しかし、私は非常に緊張していました。

デートのことはもちろんそうですが、何より運転に緊張しました。沖縄で運転したとはいえ、まだ免許をとって数日しか経ってません。映画館までの道順は覚えてますが、自分の運転で行くのは初めてでした。

私は運転することに必死で、助手席の彼女と話す余裕がありませんでした。彼女は助手席でつまらない思いをしていたことでしょう。

さらに悪いことに、私は道を間違えてしまいました。曲がるべきところで直進してしまったのです。Uターンして戻りましたが、かなり恥をかきました。

道を間違えた結果、見ようと思っていた映画の上映開始時刻を過ぎてしまいました。

代わりにボーリングをしましたが、いまいち盛り上がりませんでした。免許センターへ一緒に行ったときはもうちょっと話せたいたはずなのに、おかしい…

この日、私は数々の失敗を犯しました。道中にもっと話し掛けるべきだったこと。道順が不安なら下見をしておくべきだったこと。上映開始時刻に間に合うよう時間に余裕をもたせるべきだったこと。もっと楽しいお喋りをすべきだったこと。

帰りの道中、彼女はおずおずと切り出しました。

「実は、就職が決まったので、これからはあまり遊べないかもしれません…」

事実上、フラれたということでしょう。

駄目だった理由は彼女に聞かないとわかりません。デートでの数々の失敗に愛想を尽かしたのか、見た目がタイプじゃなく、実は初めから駄目だったのか。今回のデートも、一緒に免許センターへ行ってくれた義理を果たしただけだったのかもしれません。

こうして私の恋は終わりました。

フラれた当時はショックでしたが、今ではもう吹っ切れています。長い人生、女にフラレることだってあるさ、と。

短い間だったけど、楽しい時間をありがとう。

(了)