恋愛譚(4) -免許センター②-

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whitia.hatenablog.jp

自動車学校で知り合った女の子と一緒に免許センターへ行くことになりました。

ここまで順調にこれていることに、自分自身、少し意外な気持ちでした。

私の恋愛遍歴は決して多くありません。異性に話し掛け、連絡先を交換し、免許センターへ一緒に行く約束をするなんて、それまでの私では考えられませんでした。

自分もやればできるんだと、少し自信を持ち始めていました。

免許センターへ行く当日、集合場所の駅へ行くと、女の子とその母親がいました。

まさか母親がいるなんて思ってもみなかったので、かなり面食らいました。

言うべき言葉がとっさに出てきません。なんて言うのが適切なんだろう… 「今日は娘さんをお借りします」?いや、これは気持ち悪いだろ… それより、まさか母親も一緒に行くのか…? 

私がまごついていると、あちらから声を掛けてくれました。

「今日は一緒に行ってくださるそうで、ありがとうございます。娘をよろしくお願いします」

「こ、こちらこそ…」

結局、まともに返答すらできなくて、かなり恥をかきました。自分の首を絞めたい…

電車が来たので女の子の母親と別れ、免許センターへと出発しました。

移動中にいろいろな話をしました。よく考えたら、自動車学校で話していたと言っても、休憩時間などの短い時間でしか話せなかったので、あまり深い話はできていませんでした。

学生のとき部活は何をしていたか、学校であった面白い出来事、学校を卒業して何をしているのかなど、時折、冗談などを交えつつ和やかな会話ができていたと思います。

しかし、私にはこの日、どうしてもしなければならないことがありました。

それは、次の約束をするということ。400メートルトラックで例えると、第二コーナーを曲がる準備みたいなものです。

もちろん、策は考えてあります。

さり気なく話題を転換します。

「そういえば、もうすぐ沖縄に行くんですよ」(全然さり気なくない)

「旅行ですか?いいですね」

「何か欲しいものあります?お土産買ってきますよ」

お土産を渡すという口実で、次に会う約束をとりつけようという魂胆です。

「いいんですか?ありがとうございます」

たぶん、うまくいったようです。まあ、お土産を断る人なんていないと思いますが。

免許センターへ到着し、受付を済まして本試験を受けました。結果はふたりとも合格でした。ふたりとも合格して良かった。どちらかだけ合格だったりすると、気まずいですからね…

合格発表が終わり、免許証交付まで少し時間があったので、免許センター内にある食堂みたいなところで一緒にお昼ご飯を食べました。向かい合って一緒にご飯を食べる。これもう半分デートだろ…

帰りの電車では、さすがにふたりとも疲れていたので口数は少なめでしたが、次の約束(?)もできたし、免許も取得できたのでとても満足でした。

次は、沖縄旅行のお土産を渡す口実で、ついでに映画にでも誘うつもりです。まごうことなきデートのお誘いです。

これまでは、自動車学校で知り合った友達というポジションから抜けられていませんでした。無事、免許を取得できたこれからは、異性としてのポジションをアピールしていく必要があります。

次回に続く…

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