私は東京の会社に就職したため、就職と同時に生まれ育った地元を離れ東京に上京しました。
東京で7年ほど一人暮らしした後、東京の会社を辞め再び地元へ戻ってきました。その後、地元で再就職して今に至ります。
私が経験した退職時のことをできるだけ詳しく書いていきたいと思います。退職はしたいけど、一歩が踏み出せない人の参考になれば幸いです。
前回、希望条件に沿う会社から内定をもらったものの、まだ受けてみたい会社が残っていたので回答は保留してもらいました。
再びハローワークへ行き、いつもの流れで履歴書と職務経歴書を送付し、書類選考を通過したので面接を行うことに。
この会社は内装がおしゃれで、机もなんだかデザインチックで、縁がうねうねしてるようなやつでした。
うねうねが凹んでいるところに収まって、まずは筆記試験がありました。確か、適性検査だった気がします。この会社の適性検査は、自動車教習所の初めにやらされる性格診断のようなもので、いくつかの質問に答えていくと、自分が管理者タイプとか研究者タイプとかがわかるようでした。
私は管理者タイプだったような気がします。自分で言うのもなんですが、管理者とは対極の位置にいると思うんですが…
適性検査が終わると、面接がありました。正直、内容はあまり覚えていません。ですが、受け答えはこれまでの経験を活かし、奇抜なことは決して言わず、終始、没個性的な回答を心がけるようにしました。
後日、採用連絡がありましたが、雇用条件か何かを理由に断りました。たぶん、会社の雰囲気が私には合わないと感じたんだと思います。机は普通の四角がいい…
もうA社に決めてしまおうか… でも、もう少し条件のいい会社があるかもしれない…
そんな気持ちで再度ハローワークへ行くと、企業から私にオファーがいくつかきていることを教えられました。そのうち一社が気になったので、履歴書と職務経歴書を送付してもらいました。
この会社(B社とします)に雇用条件書を提示してもらうと、(田舎にしては)給与が高くて驚きました。業務内容を聞くと、ほそぼそながらも自社開発もしているよう。
A社とB社、それぞれ良し悪しがあり、どちらかにするか非常に悩みました。
私はA社の社長へ電話を掛けました。
「ご無沙汰しております、○○です」
「おお、連絡ありがとう!」
「申し訳ありませんが、内定を辞退させていただきます」
「…!」(絶句)
息を呑む音が聞こえたようでした。
「そ、そうか… 残念だよ…」
私から連絡があり、期待させてしまったのか、相当ショックを受けているようでした。本当に申し訳ない気持ちになりました。
穏やかな見た目と雰囲気の社長が電話口の向こうで項垂れているのを想像し、胸が苦しくなりました。
しかし、これは私の人生です。誰はばかることなく、時には冷徹な決断をくださなければならないのです。他人のご機嫌で決めるわけにはいかないのです。
というわけで、私はB社に再就職することになりました。
今でもときどき、あのときA社にしていれば… と思うことがないこともありません。しかし、おそらくですが、A社にしていたところで、あのときB社にしていれば… と思うこともあったんじゃないかと思います。
結局はないものねだり、隣の芝生は青いということなんじゃないかと思います。
B社に入った以上、B社で頑張るしかない。B社にもいいところはあるので、それを最大限に活かし、ステップアップできればいいと思います。
まあ、そのうちB社も辞める気ですけど。
(了)