ノスタルジック '00 (3) 《勇気》

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「おはよう」

初めて選択授業が行われる日、緊張に包まれていたぼくの耳に飛び込んできたのは、なんの変哲もない挨拶だった。

ぼくは声の主である窓際の席に座る女の子を認めるも、なんとなく気恥ずかしくなり目を背けてしまった。

かろうじて「あ、うん...」などという挨拶とは程遠い相づちをうつので精一杯だった。

それすら相手に届いているのかどうか怪しいものだった。

やがて授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響き、担当の先生が教室に入ってきて授業が始まった。

「早く席に着けー!」

「どこに座ったらいいですかー?」

誰かが先生に質問をした。それはぼくも知りたいことだった。生徒同士では誰がなんという名前なのか現時点ではわかっていないので、生徒だけで五十音順に座るのは無理があった。

ぼくはとりあえずの席として、窓際から数えて二列目の真ん中あたりに座ることにしたのだった。

「席はどこでもいいぞ」

どこでもいいんかい。だったら窓際の席とか、もっと後ろのほうの席にしておけばよかった...

生徒たちは三々五々、思い思いの席に座り始めた。ある者は我先にと後ろの方の席へ、ある者はどこでもいいとばかりに手近な席へ。

あっという間に席が埋まってしまったので、いまさら席移動することなどできなくなってしまった。

おそらく今後一年間、ここが僕の席になるんだろう。そう先生に言われたわけではなかったが、特に変更する理由もないので、そうなるように思えた。

ふと、窓際のほうを見てみた。

なにか視線のようなものが感じられたからだ。

さっきぼくに挨拶をしてくれた女の子が、ぼくのほうを見ているかもしれない。

期待、と呼べるほど明確なものではなかったが、ほとんど無意識に首を動かしていた。

窓際に座る女の子は、まっすぐ先生のほうを見ていた。

視線を感じたように思ったのはぼくの勘違いだった。きっと漫画やアニメなら女の子と目が合ってニコッと微笑みかけてくれるんだろうな。

現実はそう甘くない。

 

翌週、また選択授業の日がやってきた。

ぼくはこの日、あることを心に決めていた。

もし今日、またあの女の子が挨拶してくれたら、ちゃんと「おはよう」と返そう。

挨拶されたら挨拶を返す。人として当たり前のことだ。こんなことすら決心しないとできないのがぼくの弱いところだ。

自分から挨拶するのはまだ無理だけど...

ぼくは教室に入り、先週と同じ席に座った。窓際から数えて二列目、真ん中あたりの席。

その隣の窓際の席には...

「おはよう」

先週と同じく、窓際の席の女の子が僕に挨拶をしてきた。

「あ、おはよぅ...」

後半になるにつれ声が小さくなってしまい、尻切れとんぼのような挨拶になってしまった。

でも一応は挨拶を返すことができたので良しとしよう。

ちなみに周りには自分以外いないことは確認済みなので、他の人への挨拶と勘違いしたわけではない。

「この前、なんで無視したの?」

一瞬、何を言われたのか理解ができなかった。

「え...?」

「この前挨拶したとき、返してくれなかったよね...?」

ここまで言われてようやく理解ができた。先週、女の子に挨拶されたとき、ぼくはいきなりのことだったので気が動転してしまい、挨拶を返すことができなかった。

しかし無視までした覚えはない。ろくでもないものではあったけど、一応は反応したつもりだった。

...いや、聞こえてなかったんだろうな。言った瞬間、それすら聞こえてるかどうか怪しいものだって、自覚してたもんな。

ほとんど一瞬で自分の不甲斐なさに思い当たり、相手に申し訳なく思った。

それと同時に、今日また挨拶をしてくれた女の子に対してありがたく思った。

相手にしてみれば一度無視されているにもかかわらず、めげずに二度目の挨拶をするのにどれだけの勇気がいっただろう。

一度目の挨拶だって勇気がいる。勇気を振り絞ってした挨拶を無視されたとしたら、普通はもう二度と挨拶なんてしようと思わない。

「ごめん...」

ただ一言、ぼくは謝った。言葉以上に謝意はあったんだけど、謝ること以外に、それを伝えられるだけの術を思いつかなかった。

ノスタルジック '00 (2) 《出会い》

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家から一番近い高校に進学した。

もともと頭は良くなかったし、将来に明確なビジョンなど持っていなかったから、進めるところならどこでも良かった。

目立ちたくないから冒険や挑戦などせず、それゆえ刺激のない毎日を高校でも送るんだと信じ切っていた。

きっかけは中学の卒業式の後に行った、初めての美容院だった。

そのときぼくは初めて親以外の人間に髪を切ってもらうという経験をした。

緊張はしたし恐くもあったが、そこでぼくは自分に少しだけ自信を持てたような気がする。

進学先の高校では、人並みに恋愛をしたいと思うようになった。

 

高校に入学してしばらくが過ぎた。

ぼくの後ろの席には偶然同じ中学出身の男子がいて、それをきっかけとしてクラスの男子連中とはそれなりに仲良くやっていた。

しかし肝心の恋愛に関してはからっきしで、女子と話すことなどほとんど皆無。話しかけるきっかけさえ見つけられない状況だった。

いや、そもそも話しかけるきっかけが見つかったとしても、周りの目が気になってろくに話せないだろうという予感があった。

ぼくは高校生にもなって女子と仲良くすることが気恥ずかしいことだと思っていた。

本心では女子と仲良くしたり恋愛してみたいと思っていたのに、周りの目が気になってさもそんなこと興味ありませんよという風を装っていたのだ。

初めて美容院へ行った日に少しだけ持てたあの自信は、まったく無意味なものとなっていた。

 

ところでぼくが進学した高校はちょっと特殊で、受ける授業を自分で選択するというシステムを採用していた。

大学でカリキュラムを自分で組むのとまったく同じで、何曜日の何時間目は自分の選択した授業を受けに行くというようなシステムだった。

選択する授業は年次があがるにつれて幅も選択肢も増えていく。

一年生のときは特定の曜日の特定の時間だけだったものが、三年生の頃になるとほとんどすべての授業が選択したものとなる。

授業の一部を選択式にすることで生徒の興味のある分野を明確にし、また長所を伸ばすことに繋がる。

さらに選択授業では普段のクラスメイトとはまったく違うメンツになるので、生徒同士の交流もより広がることになる。

当時としては先進的なシステムを採用していた高校だった。

 

その日は初めて自分で選択した授業を受けに行く日だった。

選択授業は教室が固定されているため、授業を受けるために教室を移動しなければならない。

見知ったクラスメイトとは違う、第二のクラスメイトとでもいう人たちとの初顔合わせということで、ぼくはとても緊張していた。

ぼくは恐る恐る教室に入った。周りを見渡しても見知った顔はひとつもない。ぼくは不安に襲われた。

どこに座ればいいのかわからなかったので、窓際から数えて二列目の真ん中あたりに座ることにした。

「おはよう」

腰を落ち着かせかけたそのとき、不意に声をかけられたような気がした。

ぼくは声のした方向――窓際のほう――に目を向けた。

視線の先、窓際の席にはひとりの女の子が座っていて、ぼくのことをじっと見ていた。

慌てて後ろを振り返る。誰もいない。ということは、今のは僕に言ったのか...?

「あ、うん...」

大馬鹿なぼくは「おはよう」の一言も言えず、曖昧な相づちをうつことしかできなかった。

ノスタルジック '00 (1) 《自信》

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中学時代のぼくは、とにかく目立たない存在だった。

傍目から見て「話し掛けづらい」とか「何を考えてるかわからない」とか思われていただろうし、自分でもその自覚はあった。

できるだけ目立ちたくなかったから変化を恐れた。

それは「髪を切る」というだけのことでも同じだった。

髪を切った翌日、誰かに「髪切った?」と声をかけられるのが嫌だった。

自分に自信がなかったから、「髪を切った」という事実に気づかれて注目されるのが嫌だったのだ。

だからぼくはそのときまで髪を切ってくれていた親に「できるだけ変わらないようにして」などと無理難題な注文をしていつも親を困らせていた。

でも、心のどこかではこれじゃだめだとわかっていたし、こんな自分から変わりたいと願っていた。

 

中学を卒業し高校に上がる前、ぼくは初めて美容院に行った。

親に美容院に行きたいと伝えると、どこか嬉しそうな表情をして美容院代を手に握らせてくれた。

母の知り合いに美容院をやってる人がいるらしく、連絡はしておくからとにかく行ってきなさいと背中を叩かれた。

いま思えば、その母の知り合いがやっている美容院というのは、主な客層が妙齢の主婦という「なんちゃって美容院」だったのだが、当時のぼくは知るはずもなかった。

とにかくぼくはヘアカタログ片手に自転車で美容院に向かった。

実はもう注文する髪型に目星をつけていたのだ。事前にコンビニでヘアカタログを買って自分に似合いそうな髪型を見つけておいた。

しかしぼくは不安だった。

当たり前だがヘアカタログに載っているモデルたちはみんなかっこいい。自分なんかと比べるのもおこがましいくらいに輝いている。

そんなかっこいいモデルを指差して「こんな感じで...」などと言ってしまったら美容師に笑われるんじゃないか...

当然、そんなことで笑う美容師なんていないし、いたとしても人として最低なので気にする必要などない。

しかし当時はまだ中学を卒業したばかりの時分、しかも初めて美容院へ行くという状況では不安になるのもまた当然だった。

そうこうしているうちに美容院へ到着。恐る恐るドアを開けると、優しそうなおばさんが笑顔で出迎えてくれた。

言われるまま大きな鏡の前の椅子に座る。

「じゃあ、どうする?」

鏡越しにぼくの顔を見ながらおばさんが言った。

ぼくは持ってきたヘアカタログを取り出し、折り目のついたそのページを開き、恐る恐るひとりのモデルの写真を指差した。

おばさんはヘアカタログを手に取りしばらく写真を眺めた後、「了解!」と言った。

髪を切り始めたあたりから記憶がない。

美容院へ行こうと決めたときから緊張が高まりはじめ、髪型を伝えたところで緊張がピークを迎えてしまい、それ以降、ぼくの脳は記憶することを放棄した。

気づいたら終わっていた。

鏡の中には見違えたぼくがいた...ように思う。

正直、鏡を見るのが恐くて直視できなかった。

ただ、今までは髪を切った翌日、そのことを誰かに気づかれるのが嫌だったが、今は別に気づかれても構わない、いや、むしろ気づいてほしいとさえ思えた。

鏡の中の自分はやっぱり恥ずかしくてまともに見れなかったけど、ちょっとだけ自分に自信が持てた初めての日だった。

従姉妹の家に行ってきたさる某日の出来事

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さる某日、神奈川にある従姉妹の家に行ってきた。

自粛で疲れているだろうからリフレッシュも兼ねて遊びに来ない? ということだった。

私などはいくらでもひきこもれるタイプの人間で、自粛のどこに疲れる要素があるのか甚だ疑問だった。

そもそも自粛になる前からセルフ自粛していた身なので、3月とか4月ごろから自粛を始めたそこらの一般人とも境遇は一緒ではない。

買い物にさえ行く必要がないのなら本当に一歩も外に出ないことだって余裕だ。というかそうなってほしいとすら思う。

とはいえ断れない性格の私は、メールの文面に精一杯の乗り気じゃない雰囲気を含ませた「じゃあ、お邪魔させてもらおうかな...」などと書いて返信した。

「ぜひ来て!」という返事とともに、あれよあれよというままに従姉妹の家に行くことになってしまった。

当日、朝からバケツを引っくり返したような土砂降りだった。

私は傘をさすのが嫌いだ。普通に持っているだけでも腕が疲れるし、強風に煽られ対抗しようとしてさらに腕が疲れる。多少の雨なら傘はささないがこの雨ではさすがに無理。

電車に乗って指定された駅へ。大きい駅だったが人はまばらにしかいなかった。

改札前で落ち合った従姉妹が「大きい駅でしょ」などと誇らしげに言う。

住んでいるところが都会だということを自慢気に話す人がいるが、私は何一つすごいことだとは思わない。

都会なんて住もうと思えば誰だって住める。東京23区内にだって探せば安い賃貸物件なんかすぐに見つかる。

東京出身だということを自慢気に言うのも同様。たまたま親が東京に住んでただけであって本人の実力でもなんでもない。七光の中でもトップクラスにくだらない自慢。

そんなことはおくびにも出さず適当に話を合わせておいた。

家に着いて一息ついていると、従姉妹がお気に入りのアーティストの曲を流し始めて「どう?」とばかりに見てきた。

音楽を聞かされて感想を求められることほど辛い時間はこの世にあるのだろうか。

好きな音楽だってわかってるからけなすわけにはいかず同調するしかないじゃない。

たとえそれが海外のデスメタル(アーティスト名は伏せる)でも「へぇ、いいですねぇ」とか言うしかないじゃない。

音楽を聞き続けるのは辛かったので部屋を見回したら漫画があったので適当に手にとって読むことにした。

すかさず従姉妹の解説が入る。この漫画はこうで、あの漫画はああで...

先入観なくゆっくり読みたかった... しかもほとんど少女漫画で、女性漫画家特有の雰囲気が苦手な私には辛いものがあった。

中学生くらいのころ、友達が『NANA』を大絶賛してて、試しに読んでみたときの感覚がフラッシュバックした。

きっと女が男の漫画(美少女がたくさん出てくるような)を読んだときも同じ感覚なんだろうな。知る由もないけど。

そうこうしてたら夕飯の時間。従姉妹が作る料理は本当にうまいから実は楽しみだった。

ちょっと辛かったもののやっぱり美味しかった。これだけでも来た甲斐はあったかな...

自宅に帰ってきて思った。行かなくても良かったな、これ。

うちに来てくれる分には構わないけど、自分から行くことはないだろうな。

意外に早くプラ転したな

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意外にあっさりとプラ転してホクホク。

早くとも年内は下げ相場か、よくて下がったままトンネル期間に突入するものと予想していたが、まさかこんなにも早く、しかもここまで大きく反発するとは思わなかった。

保有投信の中ではほとんど唯一、長い間マイナスのままくすぶり続けていたアクティブファンドまでプラスになっていた。

このアクティブファンドはもう少し寝かせておいて、マイナスになる心配がなさそうになったら売却する。

これで私のポートフォリオの中にしこりのように残っていたアクティブファンドとようやくおさらばできる。きれいなポートフォリオになる。

なぜこんなにも早く回復したのか。

おそらく昨今の投資ブームで個人投資家が増えたことにより、多くの人が下げ相場を買い時と見て資金を投入したからではないか。

アクティブファンドまで伸びていることがその証左のような気がする(億万長者を夢見る個人投資家はアクティブファンドを買いそうという偏見)。

とはいえプラ転したのはいいことだ。今思えばほんの数ヶ月しかない泡沫のような下げ相場のときによく増資できたものだと自分を褒めてやりたい。

whitia.hatenablog.jp

whitia.hatenablog.jp

しかもこの頃に増資していたのは主につみたてNISA枠なので非課税なのである。昔記事にもした裏技のような方法を使って早くも今年のつみたてNISA枠を使い切ってしまった。

whitia.hatenablog.jp

しばらく増資は様子見かな。欲を言えば、もう少し上げ相場が続いて、上がりすぎるくらいに上がった結果、下げに転じてほしい。私はその時にもう一度買う。

特別定額給付金の申請完了

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本日からマイナポータルにて申請受付開始してたのでさっき申請した。

マイナポータルのぴったりサービスとかいうので申請するんだが、なんと最新のmacOSである10.15.x Catalinaに対応していないという事実。

Macは普通に使っていれば自動的にアップデートされていくので通常であればCatalinaを使っているはず。

しかしそれでは申請できない。頭きた。

ググったら回避方法があったのでそのとおりやったらできた。

qiita.com

リンク先にも書いてあるとおりイレギュラーなことをしているため責任は取れません。

自己責任で(よく理解した上で)。

マイナンバー対応のICカードリーダーは去年分の確定申告をネットでしたときに買ったやつがあったのでそれを使った。

せっかく買ったんだから活用しないと損だよね。中華製の安物だけど。

マイナンバーカードをICカードリーダーに挿入していざ読み取りだ!と思ったら読み取りエラーが出る。ふざけんな。

これだから中華製の安物は...

まあそれを選んだ私が悪いんだけど...

もう一度ドライバをインストールし直して再起動。

今度はできた。楽勝だな。

こういうのって申請開始した当日はアクセス過多で繋がらない&エラー続出ってのが常だと思うけど、全然そんな事なかった。

きっとマイナンバーカードを作ってて、パスワード設定してて、カードリーダー持ってて、こういうのに慣れてる人しかアクセスしてないからだろうな。

マイナンバーカードくらい面倒がらずに作っとこうな。

水面にたゆたう一本の小枝のように大時化が通り過ぎるのをただ待つのみ

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スーパーに買い出しに行った。

スーパーに入る前から混雑していて訝しんでいたら、入り口から店内に延々と続く長蛇の列が店中に広がっていた。

ティッシュはいくらか残っていて、ようやく買い占め勢がいなくなったか、と思っていたら、袋麺やパスタといった乾麺類が根こそぎなくなっていた。

この間来たときは乾麺類は平時より若干少ないくらいかなという程度まで品薄が解消されていたはずなのに、今度は品薄を通り越して完全に品切れ状態になっていた。

乾麺は諦めてその他の品物をかごに入れて一階に戻った。先程も書いたように一階は長蛇の列で店内が埋め尽くされている。

この列はいったいなんなのか。列を遡ってみるとなんてことない、ただのレジの順番待ちだった。

冗談じゃない、こんなのに並んで待ってられるか。私は買い占めもせず平時と変わらないいくつかの品物を買おうとしてるだけなのに、こんな列に並んでいたらゆうに1〜2時間はかかる。

結局、品物は棚に戻して何も買わずに帰ってきた。

しょうがない。こうなったら1日1食にして耐え忍ぶか、あるいは餓死を待つのみだ。列に並ぶくらいなら餓死する。

いったいどうなってるんだ。この間来たときはだんだん平時に戻りつつある雰囲気を感じたのに、今になって再びこの有り様。

どうやら日本だけじゃなくフランスやイタリアといったヨーロッパでも買い占めによる品切れ状態が続いているらしい。

3.11のときも一時的にスーパーから商品が消えるという事態に陥ったが、1週間もすればもとに戻っていたように思う。

あのときも何も買わずにいて1日1食とかにしてやり過ごしていた。あのときはすぐに平時が戻ってきたからなんとかなった。

商品が戻ってきているのを見て「品切れなんてすぐに解消される。わざわざ買い占めなんてするやつは馬鹿だ」と思っていた。

わかってる。今も昔も私は1人なので自分のことだけ考えればいい。自分1人が耐えればいい。

でも世の中の大半の人はそうじゃない。育ち下がりの子どもを持つ親だってたくさんいる。

子どもにひもじい思いをさせたくないから長蛇の列に並んでまで商品を買う必要がある。

誰も彼もが私利私欲のためだけに商品を買い占めているわけではない(中にはそういう輩も少なからずいると思うけど)。

私のような1人で生きているものが割りを食えばいい。幸い、我慢することにはなれている。

感傷的になっているわけではない。悲観的でもなく、むしろ楽観的だ。

あいも変わらず今の状態はそう長くは続かないだろうと考えている。1週間か2週間か、どれくらい先かはわからないけど、そう遠くないときには平時が戻っている。

投資だってそう。記事に書いたとおり私は今の相場を見て悲観的になるどころか絶好の買い場だと思っている。

生活防衛資金に手を出したり定期預金を解約したり、まして借金をして投資資金にするのは愚の骨頂だと思うが、余剰資金をこの相場に活かさずどこで活かす。あくまで余剰資金の範囲内でね。

しかしなんでまた品薄が再開されたんだろう。またネットで馬鹿がデマでも流したのか。

ちなみに、うちにはティッシュもトイレットペーパーもマスクもこの状態になる前にたまたま買ってあったので別段困ってない。買い占めなんてしてない。そういうのに参加するのがめんどくさい。

買い占めて転売する人は決して褒められたものではないけど、そのバイタリティだけは尊敬するわ。

水面にたゆたう一本の小枝のように大時化が通り過ぎるのをただ待つのみ。

 

追記

dot.asahi.com

これかよ。

ニュースは一日一回、夜しか見ないんで今の今まで知らんかったわ。

都知事の発言が直接買いだめに繋がるとも思えないんだけど、なんで世の中の人間は我先にと買いだめしてるんかね。

私みたいなもんは海の藻屑と消えちまうよ。

含み損がとどまるところを知らない

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もう笑うしかない。

まさに落ちるナイフを掴んだからこうなったのか。いや、余剰資金はまだまだある。ここまできたら後戻りはできない。どの道使う予定のないお金なんだからここで投入しなければどこで投入する?

もし、万が一大損ぶっこいたらこのブログは二度と更新しなくなります。そうなったら「ああ、あいつ死んだんだな、ざまあみろ」とでも思ってあざ笑ってくれ。

私が投資を始めた頃はリーマンショックみたいな大暴落でもなく、かと言って上り調子でもないいわゆるトンネル期間だった。初年度のトータルは-38万円。

それ以降は緩やかに上昇傾向にあり、+30万円程度までいっていた。プラスではあるが物足りない気持ちはあった(ギャンブル志向に陥るのが恐くて自制していた)。心のどこかで「暴落こないかなぁ」と考えていた。

まさに今がそうなんじゃないか?この考えは甘いのか?過去、大損ぶっこいて退場していった先人たちと同じ思考回路に陥っていないか?

あくまで個人的見解だが、今の相場はちゃんと理由のある変動だから、その理由さえ解消されれば返り咲く芽は残っている気がする。

私が投資しているのは仮想通貨のような泡沫ではない。平時であれば緩やかに上昇していくのが約束された商品なんだ。

こんな相場でさえ一気に買い込むことはしない。ささやかではあるがドルコスト平均法の教えに従ってちまちまと積み上げていく。

ポートフォリオの中で特に下げ傾向にあるのが国内株式で、私のポートフォリオ比率もマイナス(つまり不足している)になっている。

正直、国内の経済は信用できないのでこれ以上買い込む必要はあるのだろうかという気がしている。この間ポートフォリオ比率を見直して国内株式の割合を減らしたばかりだが、さらに減らす必要があるのか。どうなんだ。

いろいろと書いたけど、今の私に「売り抜く」「損切り」という選択肢は初めからない以上、買うか買わないかしかない。

その2択だったら買わざるを得ないんだよね。仮に買わないという選択をしたとしても機会損失のリスクは常に付きまとうから。

生活防衛資金を切り崩したり、まして借金までして買うのは真正の馬鹿だけど、余剰資金という範囲内であれば好機以外の何物でもない。

この程度で日和るな。死なばもろとも。地獄で会おう。

大時化の中を通って黄金郷にたどり着くくらいなら、一生を凪の上で過ごしたい

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先日よりさらに下がっているのでまた買い増し。

ポートフォリオがだいぶ理想に近付いてきた。アクティブ・ファンドさえ売ってしまえば完全に一致する。

国内株式が下がり続けていて最も買い時ではあるけど、私のポートフォリオでは国内株式の比率を下げたばかりで余分に持っているくらいだから今のタイミングで買い増しはできない。

頑なに設定した保有比率に従ってポートフォリオを維持するのが大事。

現金はまだいくらかあるのでさらなる恐慌が訪れたとしてもまだ大丈夫。

当面の生活防衛資金と大恐慌に備えた余剰資金を確保しておくのも大事。

なんだかんだで投資を始めて1年半くらい経つが、これがこれまでに得た知見。

ポートフォリオを作るのが難しかったり面倒だと思うならバランスファンドだけを買い続けるのでも問題ないと思う。

インデックスファンドの中でもリバランスの必要がないバランスファンドが最も楽でリスクの少ない選択ではないかと。

私は何を思ったか最初にポートフォリオを組んでしまったので、それに従うしかなくなってしまったが、今から始めるならバランスファンドオンリーにしていたかもしれない。

私はそれほど大金がほしいわけではない。

物欲はないほうなので、とりあえず生活できるだけのお金さえあればそれで満足できる。

もし大金があったら今より物欲があったかもしれない…?

毎日美味しいもの食べて、いい部屋に住んで、いい車に乗って、好きなときに好きなところへ行ける…

そんなこと考えるだけ無駄だ。

過去のことで悩むくらいナンセンスな話。

大時化の中を通って黄金郷にたどり着くくらいなら、一生を凪の上で過ごしたい。

下げ調子のときこそ買い時

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仕事の報酬金が振り込まれた。

ちょうど株価が下がっているのでここぞとばかりに投資信託を買い増しした。

買い増しした投信は先進国株式。つみたてNISAのボーナス枠を利用して一気に100,000円分購入。

私のポートフォリオの中で最も成績の良いのが先進国株式なので、先進国株式の保有比率を増やそうとリバランスしていた。

しかしなかなか買い時が訪れなかったので実際の買い増しはできずにいた。

私のポートフォリオで先進国株式は40%を占める。

一応リスクヘッジのために他のアセットクラス(国内債券など)も持っている。

私としては先進国株式を40%まで増やしたのはかなりリスクを取っているつもり。

しかし世間には先進国(というか米国)の株式オンリーという買い方をしている人が多くてビビる。

伸びているうちはいいけど、投資の世界は何があるかわからないから(特に素人にとっては)、わずかでもいいので分散させたほうがいいと思う。

昨今の投資ブームでそのへんの大学生とかがFXをレバレッジ何百倍でしているのを見ると哀れみすら感じる。

本人的には投資(実際には投機ですらなくただのギャンブル)をしている自分が利口だと思っているのだろうか…

他人のことをとやかく言えるほど余裕ある身分ではないが…

誰だって短期間で大金を手に入れたいと思う。大金さえあれば仕事なんてしなくてもいいから。

1を10にするのは非情に難しい。しかし10を11にするのは大して難しくない。

10を11にできたら次は11を12に。そういうふうに地道に増やしていくのが大半の人間にとっては近道だと思う。気付いたら1を10にするくらいの結果にはなっている。

夢を見るのは仮想通貨でやめた。

仮想通貨は約1年前に天に召されたデスクトップPCのHDDに入っているんだけど、最近HDDだけサルベージできたので、万が一再び再燃するようなことがあればそのタイミングで売りぬくつもり。

whitia.hatenablog.jp

仮想通貨を買っていたときは、まさに大学生がFXをするような心理状態で、「黎明期に参戦している自分」に酔っているフシがあった。

遅かれ早かれ失敗することは確定的だった。

その反省を活かしていまは徹底的にリスクヘッジをとっていく。

バレンタインデー前後はチョコが買いにくくなるから嫌だよね

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今日はバレンタインデー。クリスマスイブと同様、非モテ諸氏を無為に苦しめる悪魔の日。

何もしてないのに劣等感を強制的に味わわされるなんともやるせない日だ。

お気づきな通り私は非モテに属するわけだが、今年は1個チョコを貰った。従姉妹から。

数日前に従姉妹から連絡があり、渡したいものがあるから家にいっていいかと言ってきた。

はじめ、連絡が来たときはバレンタインデーとの因果関係はまったく考えなかった。そういうのに無縁すぎてバレンタインデーの存在自体が脳から欠落していたから。

従姉妹の家は神奈川にあり、うちからは結構離れている。にもかかわらずわざわざ渡したいものがあるからと言ってきたので、一体何なんだと訝しんでいた。

その後、もうすぐバレンタインデーということを思い出し、まさか渡したいものってチョコか?と感づいた。

そしてその予想通り、渡したいものとはチョコだった。

もちろん義理チョコではあるけどもらえるとやっぱり嬉しい。

前職に勤めていたとき、会社にやってきた保険のセールスレディから余り物のチョコを大量にもらったことがあった。

おそらくそれまでに配り歩いていたものの余りを私で処分した感じだった。

まあチョコは嫌いじゃないんでありがたくもらっておいた。

従姉妹は職場に配る用のチョコを新宿に買いに行くと言っていた。年に一度とはいえ大変だと思う。

女性はチョコを用意する必要があるし、あげないならあげないで角が立つというプレッシャーがあるから少し不憫。

 

数日前に地元の友だちから連絡があった。

「○○(私)のサイト見つけた!」

私はポートフォリオサイトを本名でやっているので、名前で検索したら引っかかることだとは思う。

別に隠していたわけじゃないが、あえて言うことでもないので教えていなかった。

見られて困ることは何もないので別にいいんだけど、冷静に考えたら友達は私の名前で検索してた可能性が高いことを考えると少し怖くなった。

遠い土地に行ってしまい会うことも難しい人のことを忘れずにいてくれて、連絡をしてきてくれたのは嬉しい。

去るものを追う気はないが向こうから来てくれるなら、そういう関係は大切にしていきたい。

激安商品『yumyum』『FUKKURA BURGER』のコスパは異常

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whitia.hatenablog.jp

以前、スーパーに売っていた激安の袋麺が意外と美味しかったという記事を書いた。

記事を書いた翌日くらいにもう一度スーパーに行って袋麺を買い込んできた。

近所のスーパーはときどき新製品を入荷しては実験的に棚に並べ、売れ行きがよくないと見切ると即座に入荷しなくなる。実際、さらに数日後にスーパーに行ったときには激安袋麺は商品棚からその姿を消していた。

手前の赤いのは以前食べたものとは違うもので、シュリンプ風味らしい。

しかしこの赤いのは美味しくなかった。まずスープに酸味がついていて、酸っぱいのが苦手な私は受け付けなかった。

それからシュリンプ(小エビみたいな感じ)も別に好きじゃないことに買ってから気付いた。

なんとか食べきったけど赤いのは二度と買うことはないだろう。買おうと思っても今はもう買えないけど。

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山崎製パンのこのハンバーガーが好き。ひとつ100円でマックのハンバーガーと比べて値段の割に食いでがある。

赤は近所のスーパーに売っていて、黄は近所の100円ローソンに売っていた。

惣菜パンコーナーにハンバーガーは数種類あるが、このハンバーガーが人気なのか品切れになっていることがよくある。見つけたらラッキーと思って2個買う。

赤はオーソドックスなハンバーガーという感じで、黄はソース以外は左と同じ。つまりソースだけ違う。

マックのハンバーガーと比べてパテにジューシーさはない。しかしこちらのほうが食いでがあるので気に入っている。

赤と黄だったら赤のほうが好きかな。黄はそんなにスパイシーでもないので物足りない反面、辛いのが苦手な人でも食べられる。

ひとつ100円程度なことを考えるとお値段以上であることは間違いない。

最近は安くてもそれなりに美味しい商品が多くて嬉しい。

前職の後輩から久しぶりに連絡が来た

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前職の後輩から久々に連絡があった。前職を辞めて以来だから約10ヶ月ぶりくらい。

今年の3月で今の会社を辞めるらしい。次はまだ決まってないらしいがなんとかなると楽観的だ。

後輩が辞めるということは本人から聞いていたので知っていた。真面目な後輩のことだから世間で言われている「最低3年は続けろ」という教訓に従ってきっちり3年続けたので辞めることにしたんだろう。

3年という数字にはあんまり意味がなくて、実はスキルさえ持っていれば1年でも構わないと思う。

ただ普通の人が仕事に習熟するのはだいたい3年が必要だろうという憶測で語られているだけだと思う。

前職では後輩と仕事をしていたのでスキルがどれくらいかは知っている。

とにかく真面目なので与えられた仕事は黙々とこなして一定の成果を上げることは得意だった。

ただし1年前までは誰かから指示をもらって動くことしかしていなかった(若いからしょうがない)。この1年でどれだけ成長したかな。

「落ち着いたら遊びに行きますね!」

地元にいたとき、後輩とはたまに遊んだりすることもあった。

別の土地から私の地元に来た後輩を車に乗せて地元の案内をしたり、深夜に急に呼び出して動画撮影に付き合わしたり、後輩の部屋に押しかけてタコパしたり、遠出してジビエ肉の買い出しに付き合わしたり。

無理やり連れ回すことが多かったような気もするが…

後輩から連絡を寄越してくれて、東京に遊びに行くと言ってくれたのは素直に嬉しい。

人付き合いが苦手な方だけどこうして自分を慕ってくれる人もいる。あのときのことは無駄じゃなかったんだと教えられた。

後輩よ、私はいま無職だ。

こんな私を見ても軽蔑しないでいてくれ。

初めての確定申告を行った

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確定申告を終わらせた。

まず、溜まっていた領収書やクレカの利用明細を見ながら経費を計上していく。私はマネーフォワード確定申告という会計ソフトを使っている。

確定申告書類を作るだけなら経費の合計さえわかれば問題ないが、もし税務署に内訳を聞かれた場合にすぐ明確に答えられるようにしっかり管理しておく。

私は支払いは基本的にクレカ(iD)、現金の場合はレシートもしくは領収書を残していたので、すべての出金はいつでも確認できる状態にしてあった。もともとそんなに出費しないこともあって使途不明金なくすべての出金について仕訳した。

経費の入力が終わったら会計ソフトの機能で確定申告書類を作成する。

私にとっては初めて経験する確定申告なので、初年度くらいは税務署に行って確定申告をしようと思った。今年の確定申告受付期間は2月17日からだが、書類作成の相談は随時受け付けているようなので、作成した書類を持って税務署に行った。

昨年車を売ったので税務署へは30分かけて徒歩で行った。電車で行くといったん都心のほうに出ないとだめで、楽は楽だけど所要時間は徒歩と大差なかったので、運動不足解消も兼ねて歩くことにした。

30分程度の散歩ならときどき運動不足解消と称して線路沿いを歩いたりしてるから、そんなに大変なものじゃないと思っていたが、この日はなぜか足を痛めてしまった。

役所などと同じで朝イチに行かないと混んでるだろうと思ったので、当然朝イチに出発した。道中のコンビニであらかじめコンビニプリントに登録していた書類を印刷し税務署へ。

税務署へ着いたのは9時30分くらいだったが、既に先客がたくさん並んでいて失敗したなと思った。並んでいるのは中年の女性が多い印象を受けた。これは、おそらく平日日中に時間の取れない自営業の旦那の代わりにその妻が税務署へ来ているものと思われる。

税務署へ来る人は書類の作り方を一から聞きに来る人と、私みたいに作成済みの書類の確認に来る人がいる。見た感じ両者は最終的に違うところに案内されるようだったが、列は共通のひとつに並ぶようだった。

5分ほど並んで順番が来た。持参した書類を見せ確認してもらったところ、社会保険料控除の国民年金の控除額が控除証明書と違っていた。ちなみに社会保険料控除は国民年金国民健康保険を計上した場合、国民年金は控除証明書が必須のため書類一式に添付する必要があるため持参した。国民健康保険の控除証明書は必須ではない。

それ以外は問題ないようだった。

それからe-taxの利用登録を行った。Webで確定申告ができるe-taxを利用するには一回は税務署へ行って利用登録をする必要がある。Webからはできないので注意。

初年度くらいは税務署で確定申告をしようと思ったものの、この日の込み具合を見てしまったので、もう一回税務署へ来て確定申告するのは気が引けた。おそらく2月17日からはもっと混むだろうし。

確定申告書類の確認はしてもらって、ほとんど指摘事項もなかったことだし、あとは書類提出を窓口でしようが郵送で使用がe-taxでしようが関係ない。そういうわけでe-taxを使ってみることにした。

e-taxを使うにはマイナンバーカードとICカードリーダーが必要。ICカードリーダーはスマホでも代用可能な場合があるが、私の使っている7〜8年前のスマホは未対応だったためICカードリーダーを買った。香港製の1500円くらいの代物だが問題なく使えた。

e-taxは国が提供するシステムのためWindowsならIEMacならSafariしかサポートしていない。インターフェースは統一感がなく、しかも残念と来てる。

マネーフォワード確定申告でe-tax提出用のファイル形式(xtx)のファイルをダウンロードしておけばe-taxで再入力する必要がない。

マイナンバーカードに紐付けた券面事項入力補助用、利用者用証明用、署名用電子証明用といったパスワードが必要になるので用意しておく。もしパスワード設定してないなら役所に行って登録しておく。

PCに接続したICカードリーダーでマイナンバーカードを読み取ってxtxファイルを送信すれば確定申告完了。e-taxなら24時間365日いつでも確定申告できる。

それからe-taxで確定申告した場合は国民年金の控除証明書の添付を免除される。

基礎控除社会保険料控除、青色申告特別控除のおかげで課税額は0円だった。そもそも低収入だからね。

良質な物語は心の隙間を埋めてくれる

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ゲームを自分でプレイするのは面倒だ。でもストーリーが面白いゲームは好きなので、いろんなゲームのプレイ動画はよく見る。

PUBG、エイペックス、フォートナイト、荒野行動といったバトル・ロワイアルゲームはストーリーがまったくないので好きじゃない。

最近は映画のようなゲームも人気がある。その手のゲームで初めて見たのはDetroit Become Humanで、そのストーリーの面白さに一気に引き込まれた。Until Dawnも面白かった。

今はLife is Strangeを見ている。いまのところ先の2つのような派手さはないがなかなか面白い。ジャンルで言うとドラマかな。

ちなみにDetroit Become HumanはSF:ドラマ=5:5で、Until Dawnはホラー:ミステリー=8:2って感じ。

Life is Strangeの主人公マックスの容姿が昔教習所で出会った女の子に似てて辛い。

あまり整ってなくてブリーチなどしたことがないような黒髪、上はパーカーで下はジーパンというファッションにむとんちゃくな出で立ち、しかしよく見ると可愛らしい顔をしている女の子だった。一言で言うなら素朴の一語に尽きる。

何回かデートには行った。おそらく第一印象はそう悪くなかったんだと思う。デートで楽しませるということはできなかった。

今ならもう少し楽しませられるだろうという思いはあるが、過ぎてしまったことを考えてもしょうがない。

どうとも思ってない相手だったら緊張したり無用に気負うことなく行動できるものだが、好きな相手だと本来の自分が出せなくて結果が振るわない。

多少の失敗もカバーしてくれるような容姿だったら良かったんだけど… 残念ながらそうじゃない。せいぜい並かそれ以下でしかない。配られたカードで勝負するしかないのさ。

それからまた別の相手と仲良くなったこともあったが、どこかで影を重ねてしまう癖が出るようになった。ナンセンスだとわかっていても。

誰彼構わず相手を求めるということはこの先もしないだろう。それほど寂しいと思ったこともないし。

運良く自然な成り行きで仲良くなる相手ができたらそれはいいことだと思う。気の置けない相手といられることはひとりでいるよりずっといいことだと思うから。

体裁なんかのために相手を求めたりはしない。それが一番くだらないことだと思うから。それくらいの気構えでいたほうが楽だ。

Life is Strangeを見ていて、当時を思い出し、少しセンチメンタルな気分になった。